お米を使って制球力向上 元中日エースが推奨…自宅でもできる“特殊”トレーニング

中日でエースとして活躍した吉見一起氏【写真:編集部】
中日でエースとして活躍した吉見一起氏【写真:編集部】

“精密機械”の異名…元中日・吉見一起氏が勧める片足立ち

 コントロールを安定させるには、バランス、リズム、タイミングの3つが重要になる。制球力を武器に最多勝や最優秀防御率のタイトルを手にした元中日・吉見一起さんが今月、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントで講師を務めた。吉見さんは自宅でできる制球力アップ術として、2つのトレーニングを勧めている。

 吉見さんは抜群のコントロールから“精密機械”と称された。ただ、投手として制球力の大切さを強く感じながらも「小学生にコントロールだけを求めるのは早いかなと感じています。スピードも大事です」と話す。吉見さんは制球力の高い投手は試合をつくれるため、起用されるチャンスが増えると考えている。現役時代、いつでも思い通りに制球できたわけではないが「勝てる時は勝負所のコントロールミスが少なかったと感じています」と振り返る。

 制球を安定させるために意識していたのは、バランス、リズム、タイミングの3つだった。タイミングは球をリリースするタイミングを指し、実際に球を投げて練習する必要がある。しかし、投球フォームのバランスやリズムは自宅でも感覚を磨ける。吉見さんが勧めるのは、目を閉じて片足で真っすぐ立つトレーニング。現役を退いてから指導している社会人の名門・トヨタ自動車硬式野球部でも取り入れているという。

「投球は真っ直ぐ立つところから始まります。ここが上手くいかないと、最終的に球を投げる動きに影響します。どこに意識を持っていくと立ちやすいかは人によって違うので、バランスよく立てる自分の感覚をつかむことが大切です」

 片足で立つ時は体幹が重要になり、吉見さんは腹筋に力を入れるようアドバイスしている。時間は30秒でも1分でも構わない。最初は目を開けた状態での片足立ちでも良いという。

 指先の感覚を磨く方法として実践していたのは、米を使ったトレーニング。バケツに米を入れて、米を握ったり、指に挟んだりしていた。指先だけで、ぴったり10粒つかむ練習もしていた。その他にも、家にいる時に球を握って遊んでいたという。制球力を上げる方法はグラウンドで球を投げるだけではない。

(間淳 / Jun Aida)

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