フォームは「試合では考えてはいけない」 161キロ右腕が重視したマウンドでの思考
埼玉武蔵・由規投手兼コーチが主張…個人練習の重要性
チーム練習は個人練習の成果を発表する場と捉えている。ヤクルトや楽天でプレーし、現在は独立リーグ・ルートインBCリーグ「埼玉武蔵ヒートベアーズ」に所属する由規投手兼任コーチが、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントで講師を務めた。投手がマウンドで結果を残せるかどうかは、個人練習が左右すると強調した。
ヤクルト時代の2010年に当時の日本投手最速161キロを記録するなど、速球を武器に勝ち星を積み重ねた由規は今、埼玉武蔵で投手をしながら若手選手を育成している。「自信を育てる個人練習」をテーマにしたオンラインイベントでは、個人練習の大切さを説いた。
「チーム練習はアピールしたり、自信を深めたりする発表の場だと思っています。発表の場で結果を出すためには、どれだけ1人で練習をやってきたかで変わってきます」
チーム練習は、シートノックやフリー打撃といった全体で決まったメニューをこなす時間が大半を占める。1人1人が球に触る時間は限られるため、個のスキルアップはチーム練習以外の時間が大切になるという。投手であれば試合でマウンドに立った時に、個人練習の「差」が表れると由規は考えている。
「力を発揮するには緊張感が必要ですが、過度に緊張する要素は心のどこかに不安があるからです。投手がピンチや勝負所で結果を残すには、少しでも不安要素を取り除いてマウンドに立たないといけません。続けてきた個人練習に自信を持っていれば、マウンド上での不安は消えます」
コーチ兼任となった現在、若手投手に個人練習の大切さを伝える時もある。マウンドに立つと悩んでしまう投手を見ると「試合中に意識するポイントが多すぎる」と感じている。
「自分の理想とするフォームは個人練習で意識することで、試合では考えてはいけない部分です」。投手が試合で求められるのは相手打者を抑えること。自分の投球フォームにばかり気を取られると、打者との勝負に集中できなくなる。
(間淳 / Jun Aida)
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