怪我予防のために“風呂場”で秘密練習を 甲子園の名将から継承、長く野球を続ける秘訣

現智弁和歌山名誉監督の高嶋仁氏【写真:荒川祐史】
現智弁和歌山名誉監督の高嶋仁氏【写真:荒川祐史】

智弁和歌山元監督・高嶋仁氏の教え子、明豊・川崎絢平監督からの教え

 野球を始めたばかりの子どもに「どのように教えたらいいのかわからない」と悩む保護者も多いのではないだろうか。まず最初に習得したいのが、怪我をしない投球動作、腕の使い方。東京・江東区に拠点を置く中学硬式野球「城東ボーイズ」で監督を務める深田健成さんにコツを聞いた。智弁和歌山で監督として全国制覇を3度成し遂げた高嶋仁さんも推奨する『紙コップ』を使用した練習方法で、理想的な投げ方が身につくという。

 深田さんは大分の名門・明豊高出身で2011年夏の甲子園に出場。二塁手として活躍し、トリプルプレーを達成した“守備のスペシャリスト”だ。明豊時代の恩師は川崎絢平監督。川崎監督は智弁和歌山出身で、現名誉監督の高嶋さんから守備の指導を受けている。基礎的な動きから、道具を使ったものなど、多岐に渡る。受け継がれている練習法がいくつもある。

 まずは100円ショップでもいいので紙コップを用意。そこに水を入れ、親指を下向きにして持つ。投げる動作の中でそのまま右手を上げていき、肩のラインくらいまでいったら、内側に回転させ、耳の近くを通しながら、水をこぼさないように肘を前に出す。

「城東ボーイズ」で監督を務める深田健成さん【写真:編集部】
「城東ボーイズ」で監督を務める深田健成さん【写真:編集部】

「右手の使い方がボールを投げる動作になります。自宅などで紙コップを使って、水をこぼさないように練習してみてください」。失敗すると顔や洋服に水がかかるため「お風呂でやるのもいいかもしれませんね」と深田さん。この一連の動きが回旋のストレスが少なく、怪我防止につながる肩、肘の使い方になるという。また胸郭のストレッチにも繋がる利点もある。

 ベストな投球フォームは選手によって違うため、それぞれに注意点が必要だ。最初の時点で自分にあった動きを身につけ、変な癖が身についたことによる怪我のリスクを減らしたり、上手くボールに力を伝えたりすることができるようになる。正しく効果的なポイントを伝えてあげれば、大きな成長を導くことができる。

○深田健成(ふかだ・けんせい)1993年(平5)12月28日、大分県生まれの29歳。明豊中から明豊高に進み、2011年夏の甲子園に出場。3回戦の関西(岡山)戦で二塁手として大会史上7度目のトリプルプレーを完成。東京国際大では4年時に主将を務めた。卒業後は精密機械のルート営業をしながら軟式野球部に所属し、2019年株式会社GXA入社。23年4月より中学硬式野球の城東ボーイズ監督を務める。身長1メートル65センチ、体重60キロ

【動画】智弁和歌山・高嶋仁元監督も推奨 紙コップを使って身につける投球動作

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