室内練習場なのにカフェ併設 親子で「楽しい時間」を共有…野球と地域を繋ぐ新たな空間

東京・葛飾区の「RAYCOM BASE&CAFE」(ライコムベース&カフェ)【写真:伊藤賢汰】
東京・葛飾区の「RAYCOM BASE&CAFE」(ライコムベース&カフェ)【写真:伊藤賢汰】

子どもの練習を、カフェでコーヒー飲みながら見学が可能

 東京・葛飾区の閑静な住宅街の一角に、“野球ママ”も喜ぶカフェを併設した珍しい室内練習場がある。「RAYCOM BASE&CAFE」(ライコムベース&カフェ)。最近、倉庫などを改装し、子どもたちが思い切って野球ができるスペースを作る動きが増えてきたが、ここの魅力は食事やカフェメニューが充実していること。料理メニューの開発に時間をかけたとあり、唐揚げやロコモコ、ハンバーガーなどの“自信作”が並ぶ。

 縦33メートル、横幅9メートル、天井高8メートルと広々とした大空間に、全4面の練習フィールドを完備。2階のカフェスペースは全35席、カウンター席には電源タップもあるので、野球の練習を見ながらパソコンで作業も行える。

 今年7月1日に1周年を迎えたこのおしゃれな室内練習場、実は介護福祉事業を行う「株式会社ライコム・コーポレーション」(東京都江東区東砂)が手がけている。代表取締役社長の小林征史郎さんは事業を行う一方で、小学生硬式チーム・東京江戸川ボーイズ小学部の代表を務めている。

 子どもたちにとって「食」は何よりも大事。小林さんは当初、チームの選手のために弁当や補食を用意する“給食サービス”を行うことを考えていたが、コロナ禍で困難となった。次に思いついたのは「今は子どもたちが自由に打ったり投げたりする場所が限られている」と、室内練習場を作ることを思案。そして「そこにカフェを併設したら、練習後に補食もできるし、ママさんたちも休憩できる。そういったことで野球に少しでも貢献できたらと思った」と動き出した。

2階にはカフェスペースも併設されている【写真:伊藤賢汰】
2階にはカフェスペースも併設されている【写真:伊藤賢汰】

一般客の利用も可能…地元の人たちにも愛される場所に

 会長の田代正博さんも、小林さんの考えに賛同した。「子どもたちが高速道路の高架下などで野球をやっていたり、公園でやっていて周りから注意を受けているところを見たことがあります。ここは天井が高いので、外で打っているような感覚になる。私自身、スポーツが好きだから、応援したいんですよ」と子どもたちの夢のサポートをすることにした。

 実際の施設では保護者が2階のカフェスペースでコーヒーを飲みながら、子どもたちが野球練習に励んでいるシーンもよく見られるという。時には子どもたち同士で野球で遊び、ママ同士はお茶を飲みながら話をしたり、楽しい時間を過ごす。たっぷり汗をかいて空腹になった子どもたちは2階に上がり、食事タイム。ハンバーガー(780円)やサルサチキンバーガー(1030円)、ホットドッグ(680円)、ハンバーグロコモコプレート(880円)、唐揚げ(580円)など種類も豊富だ。

 アメリカ西海岸をイメージして作られたカフェは一般客の利用も可能で、ふわふわのクラシックパンケーキ(780円)やキッズプレート(530円)などもあるため、子ども連れのママさんでも安心して入店できる。施設全般をプロデュースする事業部長で、現役の高校球児を子に持つ伊藤大輔さんは「野球をやらないとカフェには入りにくいと言われるんですけど、一回入っていただくと、すごく気に入りましたと言って帰って行く方も多くいます」と地元の人たちにも愛される場所を提供している。施設はラプソードなどの最新機器も充実。オフにはプロ野球選手も連日、トレーニングに訪れていることでも話題だ。

 子どもの野球と地域は密接した関係にある。小林さんは「野球に限らず、ちょっとした運動会をやったり、盆踊りとかもやりたいですね。この地域の“ランドマークタワー”みたいな感じになればいいですね」。野球人口の下支え、そして地域に必要とされる施設を目指して運営していく。

【ライコムベース】
(公式ホームページ)
https://raycombase.com
(インスタグラム)
https://www.instagram.com/raycombase_cafe/

【実際の写真】野球室内練習場なのに料理メニューが豊富で美味しそう 唐揚げは“秘伝の製法”

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY