わずか16人の“狭き門” 評価は〇か×か…V監督が明かすNPBジュニア入りに不可欠な「技術」

2021年末のNPBジュニアトーナメントで優勝した中日ドラゴンズジュニア【写真:川村虎大】
2021年末のNPBジュニアトーナメントで優勝した中日ドラゴンズジュニア【写真:川村虎大】

元中日・湊川誠隆氏 2021年まで中日ドラゴンズJr.の監督

 世代トップの小学生が集まる大会「NPB12球団ジュニアトーナメント」。年末に開催され、プロへの登竜門とも言われる大会は注目度が高い。13日に行われた野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントには、2021年まで中日ドラゴンズJr.の監督を務めた湊川誠隆氏が出演。選手選考のポイントを明かした。守備ではキャッチボールを重点的にチェックするという。

 楽天・松井裕樹投手やオリックス・森友哉捕手ら、多数のプロ野球選手も出場したことで知られる「NPB12球団ジュニアトーナメント」は小学生の憧れの舞台となっている。チーム編成は各球団16人以内。今年の大会に関しては今月末から来月上旬にかけて選考会を実施するチームが多い。選手にとっては狭き門となっている。

 元中日の湊川氏は2021年まで6年間、中日ドラゴンズJr.の監督を務めた。その間、優勝2回、準優勝1回の成績を収めている。現役時代は内野手だったこともあり、選手選考では守備力を重視していた。特に重点を置いていたのがキャッチボールだ。

「キャッチボールができない選手を短期間で成長させるのは難しいです。右投げなら軸足となる右足でしっかり立っているか、右足の側面が相手の方に向いているか、ステップする時にお尻から下りているかなど、基本の動きをチェックします。がむしゃらに速い球を投げれば良いというわけではありません」

 選考の対象となる選手は数百人に上るため、キャッチボールを見た湊川さんは「〇」か「×」、どちらかで評価していたという。「△はありません。ものすごく足が速い選手は別ですが、キャッチボールの評価を他の要素で覆すのは難しいです」。選手は普段、別々のチームに所属して練習時間が限られるため、湊川氏は守備からチームをつくる方法が最も結果を残せると考えていた。

体の大きさは「そこまで影響ない」 身長140センチ台の選手も

 湊川氏が講師を務めた「TURNING POINT」のオンラインイベントには、少年野球チームでプレーする子どもを持つ保護者も参加した。選考に関する質問が寄せられ、中には「体の大きさは影響しますか?」という内容もあった。湊川氏は、こう答えている。

「体が大きい選手は目に留まります。ただ、大事なのは動きです。ハンドリングが上手くて動きが機敏だったので、身長140センチ台の選手を選んだこともあります。体が大きい選手は力が強いので有利には働きますが、そこまで大きな影響はありません」

 湊川氏は、守備力の高い選手はスタメンではなくても試合途中から起用していた。小学生では特に体の大きな選手や飛距離を武器にする選手が目立つ傾向にあるが、派手さよりも堅実さに選考のポイントがある。

(間淳 / Jun Aida)

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