野球少年の保護者から多い「足が速くなる方法は?」 専門家が推奨、昔ながらの“遊び”
足首の強化につながる鬼ごっこと二重跳び
昔ながらの遊びが、野球のパフォーマンス向上につながると話す専門家は多い。甲子園出場経験を持ち、福井大会で7盗塁を記録したこともあるランニングトレーナーの村田和哉さんも、足が速くなる遊びに「鬼ごっこ」と「縄跳び」を挙げている。野球の技術向上につながり、今の子どもたちに伝えたいことがたくさんある。
福井商で夏の甲子園に2度出場した村田さんは、大学在学中に速く走るフォームや練習法を追求し、実業団でも活躍。100メートルの自己ベストを10秒29まで伸ばした。6月30日に開催した野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員向けオンラインイベントでは、走りのスペシャリストとして盗塁の成功率を上げる方法を明かした。
イベントには少年野球の子どもを持つ保護者や指導者らが参加し、質問コーナーも設けられた。その中で、村田さんは「小学生の頃に足が速くなったと感じた遊びはありましたか?」という質問を受けた。村田さんは、お勧めの遊びに鬼ごっこを挙げた。
「鬼ごっこはダッシュしたり、急に止まったり、方向転換したりするので足首が強くなります。足首の力が弱いと、地面から力をもらい切れずに力が逃げてしまいます」
鬼ごっこは鬼から逃げる時などにステップを踏み、かかとを地面につけず動く場面がある。かかとをつけないトレーニングが足首の強化になるという。同じ理由から、村田さんは縄跳びも勧めている。
「二重跳びはかかとを地面につけず跳ぶので、足首を強くする効果があります。ただジャンプを繰り返すよりも、縄跳びの方が楽しみながら継続できると思います。鬼ごっこでも縄跳びでも、すぐにかかとをついてしまうのは、足首を支える力がないからです」
野球のパフォーマンスにつながる遊びとして鬼ごっこを推奨する専門家は多い。少年野球からプロまで幅広いカテゴリーの選手を指導し、「TURNING POINT」に出演する東京農業大の勝亦陽一教授も野球と鬼ごっこを融合させたメニューを考案している。鬼ごっこには、動きのバリエーションを増やし、運動能力を向上させる要素が詰まっていると話す。野球の練習やトレーニングだけが、野球が上手くなる方法ではない。