大谷翔平も取り組む「日やけ」対策 プレーに影響も…少年少女に及ぼす“デメリット”

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

「コーセー」が女子中学生チームに「紫外線対策講座」実施

 野球少年少女に日やけは大敵――。かつては紫外線を浴びてこんがりと日にやけた選手が“定番”だった野球に、新しい流れが生まれている。化粧品大手「コーセー」は先日、女子中学硬式野球チームを対象に「紫外線対策講座」を神奈川・秦野市で実施。紫外線が、肌や健康、パフォーマンスに影響する可能性を説明し、日やけ止めの効果などを選手に伝えた。

 参加したのは「西湘Futur」「スルガマリンガールズ」の選手たち。コーセー美容開発部の戸塚みくりさんによる説明に耳を傾けた。太陽光線に含まれる紫外線には骨の生成や免疫力アップなどのメリットもあるが、皮膚がんや白内障の発症率増加など健康被害を与えることでも知られる。

 紫外線には、肌のシワや老化を進めるUVA、日やけによる炎症反応、水ぶくれなどに影響するUVBなどがあり、シワ、ゆるみ、たるみは年齢を重ねると顕著に現れるという。こうした現象を防ぐために効果的なのが日やけ止めだ。

 日やけ止めを選ぶ指標となるのが「SPF」と「PA」。SPFはUVBを防ぐ効果を示し、肌をガードする値のこと。数値が高いほど効果が高く、「50+」が国内最高基準値となる。PAはUVAを防ぐ効果を現し、シワなどの老化促進をガードする値になる。プラスの数が多いほど効果が高く「++++(フォープラス)」が国内最高基準値になる。

 戸塚さんによると、選ぶ目安は日常生活ならSPFは「20」程度、PAは「+(ワンプラス)」。野球やレジャーなどの屋外活動ではSPF「50+」、PAは「++++」がお勧めだ。

紫外線対策講座を受ける女子中学チーム「西湘Future」と「スルガマリンガールズ」の選手【写真:片倉尚文】
紫外線対策講座を受ける女子中学チーム「西湘Future」と「スルガマリンガールズ」の選手【写真:片倉尚文】

激しい練習&紫外線で起きる“ダブルの疲労”

 かつての野球少年少女はどちらかと言えば日やけに対して無頓着。「日やけした肌の方がカッコイイから使わない」「使う必要性を感じない」「めんどくさい」「塗り方が分からない」などの声が大多数だった。しかし、時代は変わった。

 エンゼルスの大谷翔平投手は今年からコーセーの「グローバルアンバサダー」を務める。「雪肌精」の日やけ止めを用いて、子どもたちに日やけ止めの重要性を啓発するキャンペーンを実施し、「いいパフォーマンスをするためには紫外線ダメージを防ぐことも大切。幼少期からの紫外線対策で、未来にダメージを残さないことが大切と思っています。日やけ止めで未来の肌を守りましょう」などと呼びかけている。

 大谷のメッセージ通り、日やけを避けることはパフォーマンス向上にもつながるという。激しい練習をこなした場合、呼吸数が増えて筋肉や内臓器官が活発になり多くのエネルギーを消費する。さらに紫外線を浴びることで肌が炎症を起こし、疲労すると言われている。つまり、屋外活動者は運動と紫外線の“ダブルの疲労”を起こしやすい傾向にある。

 運動の疲労回復にエネルギーを使いたいのに、日やけによるダメージ修復にもエネルギーを使わないといけなくなる。だが、日やけ止めを使用して紫外線から肌を守ることで、紫外線による疲労を極力カットし、運動による疲労回復にエネルギーを注ぐことができる。結果的にパフォーマンスの向上が期待できるというわけだ。

「できれば1年中使ってほしいですし、特に紫外線量が上がる4月から9月くらいまではしっかり日やけ止めを塗ってほしいと思います」と戸塚さん。野球少年少女にとって、日やけ止めは“必携”の時代になったようだ。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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