目標は「大谷翔平選手」 最速114キロの“二刀流”中2女子…目指す前人未到の大台

15U日本代表の長谷美紅【写真:編集部】
15U日本代表の長谷美紅【写真:編集部】

15U日本代表の長谷美紅「自分の力を試せることにワクワクした」

 栃木・小山市と栃木市で開催中の「ECCインビテーショナル SSKカップ ポニー・ガールズ・ベースボール・ワールドシリーズ2023」。初日の7月31日に圧倒的な投球を披露したのが、15U日本代表の長谷(ながたに)美紅(市原ポニー)だ。最速114キロの真っ直ぐを計測した投げっぷりのいいフォームに加え、初の国際大会でも「緊張よりワクワクの方が勝った」という強いハートの持ち主だ。

 この日行われた枠順決定戦。第1試合で中国に4回コールド勝ちした15U日本代表は、第2試合で“妹分”の13U日本代表と対峙した。先発マウンドに上がった長谷は初球から100キロを超える真っ直ぐを投げ、先頭打者を3球三振に仕留めた。球速は徐々に上がり、最速で114キロをマーク。初回は3者連続空振り三振という圧倒的な内容だった。

 6点を先制して戻った2回のマウンドも3者凡退。NPB通算306本塁打を誇る広澤克実理事長からも「いいピッチャーだ」と感嘆の声が上がったほど。結局、初回から5者連続三振を記録する堂々のピッチングで2番手に繋いだ。

 人懐こい笑顔が印象的な中学2年生だが、マウンド上でも取材対応でも動じることはない。「いつもと同じ感覚で投げられました。特に緊張はしていません。それよりも今日は世界大会で自分の力を試せることにワクワクしていました」と頼もしい。「最初のアウトが大切だと思うので、先頭打者から三振が取れてよかったです」と試合の入りを重視した。

最速114キロの真っ直ぐも計測した【写真:編集部】
最速114キロの真っ直ぐも計測した【写真:編集部】

「女子だけで試合ができることに感謝したい」

 普段は投手と一塁手の二刀流。この日も第1試合に「6番・一塁」でスタメン出場し、タイムリーを記録。第2試合でもタイムリーを含む3安打と投打で活躍した。目標とする選手は「大谷翔平選手です。投手として、みんなにすごいと思われる選手になりたいです」と話す。

 本大会はポニーリーグでは初開催となる女子選手の国際大会。長谷も心待ちにしていたそうで、「普段は緊張する方なのに、今日はワクワクの方が勝ちました」と笑顔を浮かべる。普段は男子と一緒にプレーするが、15U日本代表チームでは「男子とは違う動きがあったり、女子選手と一緒にプレーできる楽しさがある。女子だけで試合ができることに感謝したいと思うし、とてもうれしいです」と話す顔には充実感が漂う。

 投手として「目標は130キロ」。日本で女子最速とされるのは、ハナマウイの山田優理投手と阪神タイガースWomenの森若菜投手が記録した129キロ。まだ130キロの壁を越えた選手はいない。高校でも野球を続けたいという長谷。前人未到の130キロ超えを目指し、思いきりのいいピッチングを続けていく。

(First-Pitch編集部)

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