野球人口減少はプロアマ“共通課題” 神奈川4団体が垣根超え「交流戦」を行う意義

横須賀スタジアムで開催された「神奈川県野球交流戦2023」【写真:町田利衣】
横須賀スタジアムで開催された「神奈川県野球交流戦2023」【写真:町田利衣】

コロナ禍で中断していた「神奈川県野球交流戦2023」を今夏4年ぶりに開催

 DeNAはプロ野球、社会人野球、大学野球の連盟の垣根を越えた「神奈川県野球交流戦2023」を今月9日に横須賀スタジアムで開催した。各団体の選手が講師を務めた野球ふれあい教室、大学野球選抜vsプロ野球選抜・神奈川フューチャードリームス(FD)、社会人野球選抜vsプロ野球選抜・DeNAファーム戦を実施。プロアマの垣根を越えた交流戦を行った意義とはーー。

 夏の恒例イベントが、4年ぶりに帰ってきた。8度目の実施に、DeNAの担当者・浦田晃仁さんは「4つの団体が、共通の課題である“野球人口の減少”をフックに取り組んでいくのは重要なことだと思います」と狙いを明かす。

 DeNAが「野球振興による地域貢献活動」の一環として企画。各団体が快く呼応し、日本野球界初のプロ・社会人・大学による、プロ・アマの垣根を越えた交流戦が2013年に実現した。野球がより多くの人々の生活における共通の楽しみとして世代を超えて未来に根付き続けていき、野球文化のさらなる発展につなげることを目指して毎年開催してきた。

 2019年を最後に、コロナ禍の影響で開催はストップ。しかし「1年くらい前に大学の団体とお話する機会があって『やっぱりこの会って大事だよね』と。そこからスタートして、ほかの団体さんにもお声がけさせていただきました」と復活にこぎつけた。

初の“選抜チーム”に大久保監督も「面白い企画ですよね」

 中断前までは大学、社会人各2チームとDeNAファームがトーナメント方式で戦っていたが、今年は大学野球選抜、社会人野球選抜として行われた。独立のルートインBCリーグに所属する神奈川FDも初参加。これまでとはまた違った開催方式となり、社会人野球選抜の指揮を執った大久保秀昭監督(ENEOS)も「面白い企画ですよね。いい選手がいっぱいいますから」と話した。

 プロ注目の度会隆輝外野手(ENEOS)がDeNAを相手にヒットを放ち、同じくドラフト候補の古謝樹投手(桐蔭横浜大)は神奈川FD相手に2回1安打無失点投球。選手たちにとっても、モチベーション高く挑める交流戦となっている。

「このイベントを通して野球の楽しみを知ってもらえたらうれしいと思いますし、より野球を好きになってくれればなと思っています」と浦田さん。入場は無料とあって、野球ふれあい教室から交流戦まで、多くのファンが野球と接する1日となった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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