中学硬式No.1チームの“食トレ”の秘訣 高校野球につながる体へ…怪我の減少も実感
中学硬式球界の初代王者・ポニー佐賀ビクトリーが実践する「食」による身体作り
中学硬式野球5団体の垣根を越えた“真の日本一”を決める「1stエイジェックカップ 中学硬式グランドチャンピオンシリーズ」が、28~29日に大阪シティ信用金庫スタジアム、甲子園を舞台に初開催され、ポニーリーグの覇者・ポニー佐賀ビクトリー(佐賀)が頂点に立った。強さの秘訣に、約7年前に導入した食トレによる身体作りがあると古澤豊監督は明かした。
「技術も大切にしていますが、『身長-体重=100』を目指して、高校野球を見据えた、高校入学後に負けない身体づくりをしています。白米をたくさん食べるだけじゃなくて、バランスよく」
アスリートフードマイスターの資格を持つマネジャーが、各選手の体格などに応じた指導を行っている。さらに、保護者に対しても管理栄養士による食育指導を定期的に実施し、高校入学直前までの3年間、みっちりサポートしている。
「朝昼夜の3食以外に補食も摂っています。マネジャーから、その子、その子によって違うものが指導されているので、おにぎりや菓子パンなど、いろんなものを食べています。だいたい1年生からの3年間で平均20キロ増えますね。これまでで最低でも17キロ。最大で36キロ増えた子もいました」
同チームを率いて13年目になる古澤監督は、食トレを導入してからの7年間で、選手が大きな怪我や病気にかかる頻度が減ったと感じている。「食トレを毎日継続することによって、3年生になる頃には食べられるようになって、身体も強くなっていきます」。
野球ノートに毎日の食事と体重を記録、週1回見直す
食事の内容は、週1回提出する野球ノートで確認。「何をどのくらい食べたとかを、選手本人に書いてもらって、それを見て、お前これは足りないんじゃないかとか、じゃあ今度はこうしていこうと指導をしています」。加えて、朝と夜の体重もノートへ記録する。「体重が増えてきたか減ってきたか。数字で見ることで、成果がわかりやすいですよね。なんで落ちているのか、指導者も一緒になって考えています」。
8月にアメリカで行われたワールドシリーズU14ポニーの部で、日本代表のクローザーとして10年ぶり制覇に貢献した竹下翔太投手(3年)は、身長175センチ、体重76キロ、体脂肪率は約15%と、すでに高校生に劣らない体格だ。
「ご飯とか補食を摂って体重を増やしています。朝が1.5合、昼は3年生が3合で、夜は2合。昼は白米が多いけど、朝と夜は野菜とか、おかずも白米と同じくらい、バランスよく食べています。あとは、あまり炭酸飲料を飲まないようにして、試合の前後にオレンジジュースとか柑橘系のものを飲んでいます」と竹下は明かす。
食べ物から飲み物にまで気を配る食トレが実り、中学硬式野球の頂点に立った。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)
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