選手のタイプに合ったチームを提案 日本一の学童チームが進路相談で重視する情報収集
大阪・新家スターズ千代松監督は中学のチーム関係者と定期的に連絡
保護者から最も多い相談は、進路に関する内容だという。8月に行われた「高円宮賜杯第43回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」で優勝した大阪・新家スターズでは、中学生のチーム関係者と親交を深め、選手のタイプや希望に合ったチームを紹介できるように心掛けている。
新家スターズは今夏、“小学生の甲子園”と呼ばれるマクドナルド・トーナメントで初めて頂点に立った。昨年もベスト4に入るなど全国屈指の強豪チームとあって、ほとんどの選手は中学生になっても野球を続ける。そこで、保護者が悩むのは進路。千代松剛史監督は「どのチームで野球を続ければ良いのかという悩み相談が圧倒的に多いです」と話す。
千代松監督は毎年、マクドナルド・トーナメントが終わる8月下旬頃から保護者と進路相談する場を設けている。「勉強と両立するために活動は土日だけが良い」「全国大会に出られるチームに進みたい」「試合に出られるチームを選びたい」など、選手や保護者の希望は様々。それぞれのチームの特徴を説明して希望に近いチームを提案できるように、千代松監督は日頃から情報を集め、中学のチーム関係者と定期的に連絡を取っている。
「子どもたちには野球を好きでいてほしいですし、できるだけ長く続けてほしいと思っています。だからこそ、次のステージを一緒になって考えています。中学でも頑張っている選手を見るのは、私たち指導者の楽しみでもあります。中学3年生が高校の進路相談をするような感じですね」
強さがアドバンテージ「中学の指導者が練習や試合を見に来てくれる」
それぞれのチームには特徴や指導者の好みがある。千代松監督は各チームの指導者や新家スターズOBの選手たちから話を聞き、指導する選手の性格やプレースタイルと合っているのか想像する。情報収集において、アドバンテージとなっているのはチームの強さだという。
「結果を出していると、中学の指導者の方々が練習や試合を見に来てくれるので、話をする機会が増えます。それから、OBの子どもたちが中学のチームでも頑張っているので、小学校の頃にどんなチームでプレーしていたのか興味を持ってもらえる面もあります」
チームに入ってくる子どもたちの大半は野球未経験者という新家スターズ。全国制覇するだけの技術や知識を指導しながら、次のステージに進む選手をサポートする役割も担っている。
(間淳 / Jun Aida)
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