初球から“振りにいけない”打者の共通項 意識のズレで「安打の確率大幅に下がる」

東海中央ボーイズの竹脇賢二監督【写真:加治屋友輝】
東海中央ボーイズの竹脇賢二監督【写真:加治屋友輝】

ファーストストライクを打ちにいく」に取り組む東海中央ボーイズ

 全国制覇を成し遂げた強豪チームは、ファーストストライクへの意識に最も重点を置いている。愛知県の中学硬式チーム・東海中央ボーイズの竹脇賢二監督が1月31日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントに登場。ファーストストライクを狙って打席に入り、スイングできる選手と、見逃してしまう選手の違いを解説した。

 2012年に設立した東海中央ボーイズは昨年、日本少年野球春季全国大会で初めて頂点に立った。チームを率いる竹脇監督は「TURNING POINT」による「全国V監督3名が生回答 オンライン指導相談会」に出演し、参加者の質問に直接答えた。質問は効率的な練習法や補食など多岐に渡り、中でも打撃に関する内容が多かった。打撃におけるチーム方針を問われた指揮官は、ファーストストライクの重要性を説いた。

「チームで取り組んでいるのは、ファーストストライクを打ちにいくことです。安打の確率を上げるには、そこを打っていきたい。差し込まれてストライクを1つ取られると、安打の確率は大幅に下がってしまいます。ファーストストライクをスイングするためには、タイミングの取り方が大事になります」

 チームではファーストストライクを狙う意識を徹底しているが、それでも、スイングできない選手がいる。その違いは「タイミングの取り方」にあるという。竹脇監督は「本人は早めにタイミングを取っているつもりでも、見逃し方を見ると投球に差しこまれているケースが多いです。初球から打ちにいくためには、極端なくらい早めにタイミングを取る意識が必要です」と説明した。

基準を作ることで「スランプの期間が短くなる」

 タイミングの取り方が苦手な選手には、最初に、投手の動きと自分の動きを合わせるポイントを、頭で理解するようにアドバイスしている。例えば、ワインドアップの投手に対しては、投手が足を上げ、投げる方の手がグラブから離れた時に、打者が始動するのが基本となる。竹脇監督は、こう話す。

「タイミングの取り方は個々の選手の感覚に頼りがちです。選手それぞれに、合わせるポイントの違いは多少ありますが、基準をつくっておくと、ずれた時に修正しやすく、スランプの期間が短くなると思っています。何となくタイミングを合わせないように指導しています」

 試合当日では打席に入るまでの準備が大切になる。ネクストバッターズサークルで相手投手を見て、タイミングを合わせておく。竹脇監督は「安打が出ると、選手は打撃が面白くなります」と話す。面白さを知れば、練習に取り組む姿勢も変わる。そのために、最も安打が出る確率が高いファーストストライクを打ちにいく意識をチームに浸透させている。

(間淳 / Jun Aida)

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