球速アップに直結する上半身の“部位” 指導歴25年の確信「良い投手は柔らかい」

取手リトルシニアの石崎学監督【写真:伊藤賢汰】
取手リトルシニアの石崎学監督【写真:伊藤賢汰】

取手リトルシニア・石崎学監督推奨…スキマ時間にできる「肩甲骨機能向上メニュー」

 全国制覇を成し遂げている茨城県の中学硬式野球チーム・取手リトルシニアを指揮する石崎学監督は、トレーナーとしての顔も持つ。その知識と経験を投手陣育成にもつなげている。重点を置く体の部位の1つが肩甲骨。チームにも取り入れている1人で簡単にできるメニューを解説する。

 全国大会で5度優勝している石崎監督は、指導者よりもトレーナー歴の方が長い。高校球児を中心に25年間、選手のトレーニングをサポート。数え切れないほどの選手を見ている中で、投手のパフォーマンス向上に不可欠と感じているのが、肩甲骨の可動域。柔軟性を高めることで球速アップや怪我の予防に効果があるという。

 取手リトルシニアの投手陣が、ブルペン投球後や試合での登板後に習慣としているのが、細長い棒を使った肩甲骨のコンディショニング。両手で棒を握り、両肘を伸ばした状態で棒を頭の上から背中側へと持っていく。そして、同じように肘を曲げずに背中から頭の上を通して棒をお腹の前に持ってくる。棒を握る時に両手の間隔が狭いほど、肩甲骨の可動域が広い表れとなる。石崎監督は「普段の練習後や空いている時間など、取り組むのはいつでも構いません。良い投手は肩甲骨周りが柔らかいです」と話す。

 次に解説するのは肩甲骨を大きく動かすメニュー。右手を右肩、左手を左肩につけて両肩を回す。この時、両肘を胸の前でくっつけて、できるだけ両肘が離れない時間を長く保ちながら肩を大きく回すように意識する。動き自体は地味だが、肩甲骨を寄せる、離す、上げる、下げると様々な要素が入っている。

 2007年のチーム結成から、日本一を5度も成し遂げている取手リトルシニア。OBはプロ野球をはじめ、甲子園や大学、社会人でも活躍している。トレーナーとしての経験も豊富な石崎監督が勧める肩甲骨の機能を高めるメニューは、パフォーマンスアップが期待できる。

(間淳 / Jun Aida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY