小学生に多い「肘の痛み」の原因とは? 強豪も習慣化…“弱さ”克服する刺激入れ

取手リトルシニアの石崎学監督【写真:伊藤賢汰】
取手リトルシニアの石崎学監督【写真:伊藤賢汰】

茨城・取手リトルシニア投手陣が実践する「肘の内側強化」2メニュー

 肘を痛める少年野球の選手は少なくない。その原因の1つには、肘の筋肉が弱くて使えていないケースもあるという。茨城県の中学硬式野球チーム・取手リトルシニアを指揮し、トレーナーでもある石崎学監督は、肘の内側を鍛える必要性を説く。小学生にも勧めている2つのメニューを紹介する。

 2007年の立ち上げから取手リトルシニアを率いている石崎監督は、今までにチームを5度の日本一に導いている。指導者としての実績に加えて、他の監督にはない強みが体やトレーニングの知識。自らジムを運営し、トレーナー歴は25年に上る。現在もチームを指導しながら、高校球児らのトレーニングをサポートしている。

 石崎監督が投手陣の習慣にしているメニューには、肘の内側を強化するものがある。小学生に多い肘の痛みは、肩甲骨や股関節など肘以外の使い方に加えて、肘の筋肉の弱さも原因になるという。

 石崎監督が勧める1つ目のメニューは、肘の内側を使う意識を体に覚えさせる目的がある。投げる方の手でボールを握り、肘を90度に曲げた状態をキープしながら、肘を支点にして前腕を内、外へと交互にひねる。大きく素早くひねることを心掛ける。ボールは負荷をかける役割をしているが、持たずに同じ動きをしても構わない。

 もう1つのメニューはバットを使う。ヘッドを下向きにして投げる方の手でバットを持ち、腕を下げた状態から手首を使って、ヘッドが天井を向くように後ろ側へとバットを上げていく。この時、中指、薬指、小指の3本でバットをしっかりと握る。石崎監督は「バットの重さによって負荷が変わるので、個々の選手に合わせて調整します。ウエートトレーニングのように筋肉をつけるわけではなく、肘の内側に刺激を入れていきます」と説明する。

 投球動作で肘に一定の負担がかかることは避けられない。その負担によって怪我をしたり、パフォーマンスを落としたりしないためには、肘の強化も大切になる。

(間淳 / Jun Aida)

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