小学生で知らないと手遅れ? 野球技術向上へ、“黄金期”に運動神経を伸ばすコツ
関メディ・藤田トレーナーが重視する「神経への働きかけ」…裸足での練習も
高い技術を体現するには、対応できる体作りがまずは必要になる。直近10年間で野球のレベルは格段に上がったが、一方で個々のレベル差は広がりを見せているという。中学硬式野球で日本一(春優勝、夏準優勝)を経験した「関メディベースボール学院」でトレーナーを務める藤田真悟氏は、「運動神経が一番伸びる時期を逃してはいけない」と成長のポイントを挙げる。
一般的に8歳〜12歳までの“ゴールデンエイジ”と呼ばれる時期が、最も運動神経が成長するといわれている。野球はカテゴリーが上がるにつれ、「打つ、投げる、守る」なかで高いスキルをが求められるが、思い通りに自分の体を操ることができれば、レベルが上がっても、あらゆる動きに対応することが可能になる。
関メディでは技術練習もさることながら、小・中学生の指導で重要視しているのが体幹を含めたトレーニングだという。ウオーミングアップもトレーニングの一環とし、筋肉の神経に働きかけるリズム運動なども取り入れる。藤田トレーナーは「静から動の俊敏性、一瞬でスイッチを入れられるような様々な動きをすることが大事になります」と指摘する。
最も“伸びる期間”を逃すことはできない。小学生から中学生の間を「一気に成長する年齢」と注視し、体の仕組み、使い方などを重点的に指導。座った状態から笛を鳴らし、一気に走る動作や、反復横跳びなど、筋肉の神経にも働きかけて成長を促している。他にも体重移動や重心の感覚を養うため、室内ならば打撃練習は裸足で行っている。
「競技能力が向上しているなかで、世の中が便利になるがゆえに、失っていく身体能力も多い。そこに気づけるかどうか。1か月やるか、やらないかでも差はかなり出てきます。伸びしろがある小学生は特に意識してほしいですね」
関メディは昨年3月のヤングリーグ春季大会で優勝を飾り、4月にポニーリーグに転籍すると7月の全日本選手権で優勝。さらに今年3月の全日本選抜も制し、7月の全日本選手権では準優勝を飾った。中学硬式野球界で圧倒的な強さを見せるチームには理由がある。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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