中学球児が成長する「親子の関係性」 広島の名門が実践、高校野球に向けた“3指針”
20年連続で全国大会出場…中学硬式「府中広島’2000ヤング」の“人間形成”
勝利以上に、野球を通しての人間形成を大切にする。2021年に中学硬式野球ヤングリーグの全国大会で春夏連覇を果たした「府中広島’2000ヤング」の中田博監督が24日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が実施するオンラインイベント「日本一の指導者サミット2024」に出演。高校進学後も活躍する選手の育成論を明かした。
府中広島’2000ヤングはここまで全国制覇3度を誇り、20年連続で全国大会に出場する名門だ。瀬戸内海沿いに専用グラウンドを持ち、レベルの高い選手たちがそろうが、中田監督は「勝つことも大事ですが、高校で野球ができる人間教育を一番大切にしている」と言う。
チームの指導方針は「人間形成」と「通過点」。心を成長させるために「目配り、気配り、感謝の心」の3指針を掲げている。社会人野球の監督を務めた経験を持つ中田監督も「この3つができないと高校野球でプレーできない。指導者から認められない。中学生の間にマスターしてほしい」と力を込める。
子どもだけでなく保護者も一緒に成長していく。クラブチームの練習は主に土日がメイン。平日は親子で過ごす時間が長いだけに「親子の関係性が上手くいくと、子どもたちの成長に繋がる」と、私生活での時間も重要視している。
数多くのプロを指導…高島誠氏がチームをサポート「選手の理解度が高い」
この日は同チームをサポートする「Mac’s Trainer Room」の代表・高島誠氏もゲストコメンテーターとして参加。オリックスの山岡泰輔投手ら数多くのプロ野球選手を指導する名トレーナーに、中田監督も全幅の信頼を置いている。投手陣を任されている高島氏は「“自分”を持っている子が多い。しっかり話ができ、自分の意思を持っている。選手の理解度が高い」と太鼓判を押している。
中学生は最も、体が成長する時期であり、怪我の防止にも力を入れている。ウオーミングアップから柔軟性を高めるドリルを取り入れるなど、自らの体を扱える能力を鍛える。ブルペン投球ではタブレッド端末を用いて投球動作を細分化し、球質や投球フォームを具体的に伝え、修正ポイントをチェックしている。
チームは強力な投手陣が最大の売り。年代が変わっても1学年で最低でも6人の投手が、試合で投げられるよう育成している。中田監督は、高島氏の指導に全幅の信頼を置いており「選手たちも具体的な言葉、方法で指導を受けるので吸収力が全く違う。翌日の練習から本当に球質が変わり、私たちも驚くほどです」と語る。
昭和、平成、令和と“野球観”も進化するなか、指導者にも変化が求められる時代。「子どもたちとコミュニケーションを取り、悩みを聞きながら。いつも大事にしています」。中田監督は最新の理論、技術を柔軟に取り入れ、これからも将来を担う選手たちを育成していく。
「日本一の指導者サミット2024」本日25日(金)まで開催中…見逃し配信もあり
【日本一の指導者サミット2024・詳細】
https://first-pitch.jp/article/coaching-methods/20241022/8825/
【参加はTURNING POINTの無料登録から】
https://id.creative2.co.jp/entry
(First-Pitch編集部)
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