右打ち・左打ちの“決めつけ”は古い? 小学生こそ「両打ち挑戦」を強く勧めるワケ

小学生から両打ちに挑戦をするメリットとは(写真はイメージ)
小学生から両打ちに挑戦をするメリットとは(写真はイメージ)

プロトレーナーの高島誠氏…右打ちに「右に体重を残して」の指導が当てはまらない選手も

 幼少期から右打ち・左打ちの「利き打ち」を決めつけてしまうのは、早計なのかもしれない。利き手に関わらず使いやすい足には個人差があるため、様々な可能性を模索していくことがバッティング向上のヒントにつながるからだ。Full-Countでは、少年野球の打撃指導などで豊富な実績を持つコーチやトレーナーを取材。オリックスやMLBのナショナルズでトレーナー経験を持つ高島誠氏は、「小学生のうちこそ、両打ちに挑戦しておいてほしい」と提案する。

「右足・左足」「右手・左手」「腹筋・背筋」でどちらが動かしやすいかによって選手を8タイプに分類する「パフォーマンスライン」を提唱する高島氏。オリックスの杉本裕太郎外野手ら30人以上のプロ野球選手を指導するなど、左右差などの個々の特徴に合わせたコーチングによって、育成世代からトップまで多くの支持を集めている。

「野球の練習は基本的に『右手・右足』が使いやすい人たち向けなんですよね。僕は右投げ右打ちでしたが、実際は『左』の方が使いやすいタイプ。現役当時はそれを知らなかったため、高校に入ったら、練習をすればするほど、どんどん怪我をするようになってしまいました」

 左右差を見極める方法はいくつかあるという。例えば立った状態で、地面と平行になるように右腕を前方へ真っすぐ伸ばし、左手で右腕を上から押さえてみる。その際、体重が右足寄りにかかった時と左足寄りの時と、どちらが右腕に力が入りやすいかで、同じ右打ちでもタイプが分類される。

 左足体重の方が力が入りやすいという右打ちの選手に対し、「軸足の右足に体重を残して打て」と指導しても、そもそもバットに力が伝わりにくいため、逆効果になるケースが多くなる。「右足に体重を残して打てないことはないですが、左足をうまく使わないと、きちんと力が伝わらなかったりします」と高島氏は説明する。

Mac's Trainer Roomの高島誠氏【写真:伊藤賢汰】
Mac's Trainer Roomの高島誠氏【写真:伊藤賢汰】

小学生のうちは“両投げ”も推奨「偏った動きにならずに済む」

 むしろ、こうしたタイプは左打ちにした方が、軸足となる左足に体重を残しやすいため力強い打球が飛ぶ。よって右利きだから右打ちなどと決めつけず、育成世代から両打ちに挑戦する価値は十分にあると高島氏は語る。

「後ろ足を使いたい子や、前足体重の方が打ちやすいという子がいると思いますが、小学生はまだうまく自分で表現できない。だから最初は両打ちをさせて、うまくいった方を固めればいいし、両方打てるならそれを継続してもいい。僕なら“両投げ”もさせてあげたいくらいです。その方が、どちらか一方に偏った動きにならずに済むし、怪我をした時に逆を使えるというメリットもあります」

 自身の苦い経験があったからこそ、100%の力が出せるフォームで故障なく野球を楽しんでほしいという思いがそこにはある。高島氏は、25日から開催される「打撃強化4DAYS」に参加予定。一流プロも傾倒する最新の打撃論を、余すことなく語ってくれる。

高島誠さんも登場…少年野球のバッティング指導に役立つ練習法を紹介!

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(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

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