監督も驚いた…サヨナラ勝利導いた重盗は「ノーサイン」 大会唯一・国立大の“頭脳”
重盗は選手の独断、監督は「何をするんだろうな」
全日本大学野球選手権の第2日が8日に行われ、神宮球場では出場27校で唯一、国立の和歌山大が延長10回タイブレークの末、九産大に5-4で逆転サヨナラ勝ちした。勝利を手繰り寄せたのは、意表を突いた重盗。強気な采配にも思えたが、大原弘監督は一切サインを出していなかった。
1点を追う10回裏。無死一、二塁からのタイブレークで、代打・坂上昂汰内野手(3年)はバントで送らず強攻策に出た。結果は実らず1死一、二塁となったが、さらに久保田泰司内野手(4年)の打席を迎えたところで動いた。3球目に2人の走者がともにスタートを切り、重盗に成功。その後、満塁までチャンスを広げ、4回に本塁打を放っていた柏田樹外野手(4年)が二塁強襲の2点適時打を放った。
「指示は一切していません。選手らは何するんだろうなって見ていました。坂上はバスターとかが上手いから、ヒッティングでいくのかなとは思いましたけど」
大原監督の言葉通り、選手たちだけで事前に打ち合わせしていた。「強攻策が失敗したら、重盗を仕掛けよう」。目配せでスタートのタイミングを測り、成功させた。