【緊急連載(中)】東大はなぜ勝てたのか 法大にのしかかった二重の重圧
必要以上の「硬さ」が生じていた法大、その要因とは
東京六大学野球で最多優勝を誇る名門が、東大にまさかの苦渋をなめた。
23日、リーグワーストの連敗を94で止めた東大。その相手が、リーグ最多44度の優勝を誇る法大だった。最下位が確定し、捨て身の攻撃的采配を仕掛けてきた赤門軍団に対して法大は終始、受け身に回り、歴史的敗北を喫した。
その裏には、法大に必要以上の「硬さ」を生む要因があった。「負ければ自動的にV逸」という条件である。
今季の東京六大学は混戦となり、今節までに首位・早大以下、法大と慶大が優勝の可能性を残していた。しかし、試合のなかった早慶に対し、法大が今季最終カードの東大戦で優勝に望みをつなぐ条件は一つだけ。東大に2連勝し、最終週に慶大が早大に2連勝する。結果、8勝3敗の勝ち点4で並び、3校による優勝決定プレーオフを行うというものだった。
そのため、法大にとって「勝って当たり前」という難しさのある東大相手に「優勝」という二重の重圧がのしかかっていた。
それは、グラウンド上で通常あり得ないようなミスが続いたことに表れていた。
1-0で迎えた5回1死二、三塁。ここで、東大はスクイズをしかけたが空振り。先発の1年生左腕・森田駿哉が投じた投球は決して難しいボールではなかったが、1年生捕手・鎌倉航は焦ったのか投球を後逸した。スタートを切っていた二塁走者まで生還。暴投となり、1年生のバッテリー間のミスで逆転を許した。