田中将大、山田哲人ら一流選手を輩出する伊丹&宝塚 元ドラ1が明かす独自の育成システム

ヤクルト・山田哲人(左)と楽天・田中将大【写真:荒川祐史】
ヤクルト・山田哲人(左)と楽天・田中将大【写真:荒川祐史】

多くの小学生は硬式野球ではなく小学校の軟式チームに在籍、卒業するまで指導者は変わらず

 楽天の田中将大投手、巨人の坂本勇人内野手、中島宏之内野手、ヤクルトの山田哲人内野手、若手有望株では広島の小園海斗内野手……。兵庫・伊丹市、宝塚市からはこれまで多くの一流選手が誕生している。伊丹市出身で2002年のドラフト1位で日本ハム入団した尾崎匡哉氏はその理由について「独自の育成システム」を要因の一つに上げる。

 尾崎氏は現在、伊丹市の隣にある宝塚市で少年野球のコーチを務めている。自身の少年時代も振り返りながら「これが全てではないですが、個人的に思うのは小学生時代」と、他にはない育成システムの存在を明かす。

 伊丹市と宝塚市に住む多くの小学生は硬式野球ではなく小学校の軟式チームに在籍するという。さらに自身の通う学校以外のチームに所属することは連盟で禁止。基本的には学年ごとに父兄を含めた指導者がおり、卒業するまでは同じコーチが指導するシステムとなっている。

 3、4、5、6年生ごとに練習、試合を行う機会が多く「ほとんどの選手が試合に出られるので“試合慣れ”している子が多い印象です。学年が上がってもコーチ、監督が変わらないので一貫性のある指導を受けられるので、両者にとってメリットがあると思います」と語る。

 近年は小学生からボーイズ、シニアなどの硬式クラブチームに入る選手たちも多い。中学、高校で野球を続けさせたいと思っている保護者たちからは「すぐに硬式野球に入れた方がいいか?」と相談を受けることもあるが「そこまで深刻に考える必要はないと思います。子どものやる気と、いい指導者に巡り合うかが大事。実際に自分たちの高校時代もそうでした」と振り返る。

 報徳学園時代は2002年に選抜優勝を果たしたがエースの大谷智久(現ロッテ2軍投手コーチ)らレギュラーの半分は中学まで軟式経験者。本格的に硬式球を握ったのは高校入学からで「十分に間に合う。戸惑うのは入ってからの1か月程度。逆に軟式はしっかり捉えないと前に飛ばないので、技術的にも軟式出身者の方が上手い選手が多かった印象です」。

 その土地土地によって様々な育成システムが存在するが、甲子園のお膝元、兵庫県には一流選手を輩出するヒントが隠されているのかもしれない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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