2分半で球速アップ、1年で17キロ増の選手も… 元巨人の名左腕がすすめる練習法
前田幸長氏「球速を上げるためには一瞬の爆発力が重要」
少年野球で投手をしている子どもたちなら、誰もが目標に掲げるであろう「球速アップ」。ロッテ、中日、巨人で通算595試合に登板し、現在は神奈川県の中学硬式野球チーム「都筑中央ボーイズ」で会長を務める前田幸長氏は、サーキットトレーニングを勧めている。わずか2分半のメニューだが、チーム内で効果が生まれているという。小学生から高校や大学の選手にも推奨し、1人で室内でも行えるトレーニング方法を伝授してくれた。
強く速い球を投げるには、リリースの瞬間に力を集中させる瞬発力やフォームのバランスを良くする体幹の強さなどが必要だ。福岡第一高のエースとして1988年夏の甲子園で準優勝し、NPB通算595試合に登板した前田氏は「球速を上げるためには一瞬の爆発力が重要」と力を込める。現在、会長を務めている「都筑中央ボーイズ」で爆発力を鍛えるために取り入れているサーキットトレーニングを、自身の公式YouTubeチャンネルで公開している。
サーキットトレーニングは、全5種類のメニューを2分半で消化する。それぞれのメニューを20秒ずつ行い、10秒のインターバルを挟む。最初はバービージャンプ。立った状態から腕立て伏せの格好になり、立ち上がる時にジャンプする。できるだけ高くジャンプし、着地した際に腰を反らさずに真っすぐ立つことがポイントだ。
次は、腕立て伏せの姿勢から両足を交互に素早く曲げたり伸ばしたりするメニュー。この時、腰の位置が上がったり下がったりしないように腕立ての姿勢を維持するのが大切。どちらのメニューも上半身から下半身まで体全体を強化できるが、特に肩回りの筋肉や腹筋など瞬発力に必要な部位に効果があるという。有酸素運動なので、長いイニングを投げるスタミナアップにもつながる。
動画では他に3つのメニューと、それぞれのポイントを解説している。どのメニューも制限時間内に多くの回数をこなすことが理想だが、それ以上に「リズムとバランス」が重要。少年野球の子どもたちには単調で長くなりがちなトレーニングの継続はまだ難しいだろう。だが、このサーキットトレーニングは2分半で終わるため飽きずに続けられるメリットがある。
慣れてきたら1日3セットに増やすと、より効果が期待できる。都筑中央ボーイズには、このメニューを日課にして1年間で球速が17キロ上がった選手がいるという。内容はシンプルなので小学生でも取り入れられる。異例の早さで梅雨が明けて暑い日が続く中、室内でも手軽にできるトレーニングは重宝されるだろう。
(Full-Count編集部)
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