カットマンは外野へ「ジャンプして」呼べ! 燕の名手が子どもたちに伝えたい中継プレーの極意
主に遊撃手でプレーした大引啓次氏 引退後はカットプレーの重要性を指導
地味に見えても、内野手にとって大切な役割がある。オリックスやヤクルトなどで、主に内野の花形・遊撃手としてプレーした大引啓次さんは、カットプレーに自信を持っていた。大きなジェスチャーが「相手のためにも、自分のためになる」と説く。
オリックス、日本ハム、ヤクルトの3球団に所属した大引さんは名手として知られていた。内野の花形と言われる遊撃手は華麗なプレーで観客を沸かせるイメージが強いが、目立たない地味な動きも重要になる。その1つに、大引さんが得意にしていた「カットプレー」がある。
「現役を引退してから高校生や大学生に教える機会が増えましたが、カットに入る内野手には、大きなジェスチャーで『ここに投げてこい!』と呼ぶように教えています。特に外野手が背走して追った打球は、振り向きざまに投げることになるので、パッと内野を見た時にどこに投げればいいのか分かりにくくなります。内野手が大きなジェスチャーで呼ぶことが、外野手の判断を助けることにつながっていきます」
大引さんは現役時代、外野手に正対した上で大きくジャンプし、両手を目いっぱい回しながらボールを“呼んで”いたという。ジェスチャーを大きくする重要性を痛感していたからだ。
「グラブを持った手だけを上げて、『オイ!』と呼ぶような選手もいますが、その動きで、『自分に投げてこい!』という意思が伝わりますか? プロ野球は観客がたくさん入っているので、自分が出した声はチームメートに届きません。とにかく、大きなジェスチャーで伝えることが大切です」