恐怖心与えるノックは逆効果 少年野球カリスマ指導者の守備を上達させる“遊び心”
多賀少年野球クラブの辻監督がオンラインイベントで指導者の悩み解決
昔の練習方法として、選手に捕手の防具をつけさせて強いノックを打つものがある。果たして守備力の向上につながるのか。少年野球のカリスマ指導者と呼ばれている滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督は「選手に捕れ! という時代は終わらせたい」と練習の効果に疑問を投げかける。遊び感覚を取り入れて、捕球する楽しさを子どもたちに伝える練習を勧めている。
9月に開催された野球育成向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントで講師を務めた多賀少年野球クラブ・辻監督は、イベントに参加した少年野球の指導者から、指導法や練習内容など様々な質問を受けた。その中の1つに、こんな内容があった。
「打球に対する選手の恐怖心をなくすために、防具をつけさせてノックをすることに意味はありますか?」
現在54歳の辻監督が子どもの頃、捕手の防具をつけた選手に向かって強い打球をノックする練習は珍しくなかった。打球のスピードに目を慣れさせ、恐怖心をなくす狙いがあった。時代が昭和から平成、令和に移り変わった今でも、取り入れた方が良い練習メニューなのかを問われた辻監督は、こう答えた。
「防具をつける時点で、子どもたちに怖い練習と植え付けています。危険だぞと言っているようなものです。『捕れ!』という時代は終わらせたいですね。捕りたいと思う雰囲気でノックをした方が良いと思います」
辻監督が勧めるのは「選手が打球を捕りたくなるノック」。複数の選手にノックを打って、玉入れのように捕球した数を競わせる。ノックを打つ時には、ノッカーを務める監督やコーチが「捕らせないからな」と競争心を刺激するように声をかけ、子どもたちからは「絶対捕ってやる」といった声が出るような明るく楽しい雰囲気をつくる。恐怖感を与える練習は逆効果と考えている。
(Full-Count編集部)
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