少年野球のイメトレ“正しい方法”は? 専門家が解説「いいイメージ描くだけ」はNG

イメージトレーニングの効果上げる注意点を専門家が解説
イメージトレーニングの効果上げる注意点を専門家が解説

本塁打をイメージする前に打席で緊張に対処する場面を想像

 トップアスリートの間では当たり前になっているイメージトレーニングは最近、少年野球でも取り入れられている。日本スポーツ心理学会認定のスポーツメンタルトレーニング指導士・筒井香さんは、イメトレにはパフォーマンスを向上させる効果があると話す一方、成功をイメージするだけでは不十分と強調する。正しい方法と練習方法を解説する。

――少年野球でも成功するイメージをつくってから試合に臨む子どもたちがいます。イメージトレーニングの効果をどのように考えていますか?

 打つ、投げる、走るなど、どんな動きも脳からの指令によって行われていると考えると、脳に成功のイメージを刻むのは、パフォーマンスアップにつながると思います。脳が動きをイメージできると再現性は高くなるので、いいイメージを持つのは大切です。ただ、1つ注意していただきたいポイントがあります。

――どんなポイントでしょうか?

 例えば、試合で本塁打を打ちたいと思って、そのイメージで打席に入るのは大事です。しかし、試合本番は緊張していたり、興奮していたり、普段とは異なる状態の可能性がありますね。そのため、その状態の自分をイメージするところから始める必要があり、対処した先に本塁打を打つとイメージしないと不十分なのです。

――スイングする前の段階で問題に直面しているとしたら、理想のスイングをイメージしていてもパフォーマンスにつなげられないということですね。具体的に、どのようなイメージをして打席に入ることが必要ですか?

 例えば、緊張すると胸がドキドキする、喉が渇く、手足が震えるといった状態が想定されます。まずは、その緊張を受け入れるイメージ、そこから考え方を変容したり、深呼吸をしたりするなどの対処法をイメージします。その後に落ち着いて打席に入って、相手投手の内角直球を引っ張って本塁打にするというようなイメージをつくります。緊張に対するリハーサルをしておくわけです。起こり得る可能性のある感情を無視して、いいイメージだけを描くのは宙に浮いてしまいます。

イメージトレーニングの練習は好きな食べ物の想像から

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