ポニーが目指す“共生社会” 障がいを持つ人が行う野球「パラボール」大会が開催

障がい者の野球「パラボールフェスティバル」が開催された【写真:川村虎大】
障がい者の野球「パラボールフェスティバル」が開催された【写真:川村虎大】

約130人が参加、選手は「感動しました」と笑顔

 日本ポニーベースボール協会傘下のパラボールリーグ協会は16日、東京・江戸川区球場で「第2回パラボールフェスティバル」を開催した。障がいをもつ中学生から大人まで約130人、サポートメンバーも含めると200人が参加し、スポンジのボールとバットでティーボールを楽しんだ。

「パラボール」とは、パラリンピックの「パラ」とティー台とスポンジボールで行う「ティーボール」を合わせた造語。2019年に発足し、第1回大会を開催していたが、その後はコロナ禍で延期が続き、今回が2回目の開催となった。

 今回のイベントには、江戸川区近隣の障がい者施設や、中学校の特別支援学級など15の団体が参加した。大会の約1か月前には、協会から参加チームにティーボールセットが配られた。今回は、勝敗は決めずに打ったら本塁まで走るのが“ルール”。練習してきたチームもあり、強い打球も多く飛んだ。また、グラウンド外では、物販も行われ、参加者が作った革製品やポップコーンなどが販売されていた。

 協会の栗山義広理事長は「なかなか障がいがあるというだけで外でスポーツをしないことも多い」と障がい者スポーツの現状を明かす。この日は快晴で参加者も笑顔が多かった。「太陽を浴びて、楽しく運動している姿が見られてよかった」と頬を緩ませた。

 参加した人たちからも喜びの声が多く聞こえた。千葉・柏市立逆井中の特別支援学級に所属する星創大くん(3年)は大の中日ファン。実際に野球場に立ったのは、これが初めてだった。「野球選手が使うグラウンドに立てて感動しました」。大会に向け、体育の授業で練習。2打席とも強い打球を放ったが「65点です」と自己採点は厳しかった。

 今後は中学生や一般の人をサポートメンバーとして参加させることも計画している。栗山理事長も「互いに理解しあえる共生社会を作るきっかけにしたい」と願った。

(Full-Count編集部)

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