野球のせいで遊ぶ時間が犠牲に 小中学生の“あるある”…指導者が抱いた違和感
新潟市の新潟クラウン、土日祝のみの半日練習で県大会初出場
犠牲を伴ってまで野球をする必要はない――。新潟市の中学軟式野球チーム「新潟クラウン」は、家族や友達と過ごす時間や、習い事や部活の掛け持ちを推奨している。限られた練習時間で成果を求め、野球以外も充実させる方針を掲げている。
創設4年目を迎えた新潟クラウンの練習は土日祝日のみで、1日最大でも4時間。それでも、今春はクラブチームと中学の野球部が参加する「第四北越銀行杯旗争奪新潟県少年野球大会」の地区予選で優勝し、初めて県大会に出場した。
チームを立ち上げた江藤大雅監督の方針には「野球をすることで他の何かを犠牲にしない」という考え方がある。ゴールデンウィークやお盆などは大会がなければ練習は休み。選手や保護者に「家族や友達と遊んでください」と伝えている。
「大会の成績だけを考えれば、練習時間を増やした方がいいと思います。ただ、勉強時間がない、家族旅行ができない、野球を引退するまで友達と遊べないというのは違和感があります」
もちろん野球をやっているからには、選手に上手くなる楽しみや勝つ喜びを伝える指導をしている。限られた練習時間を有効活用するため、選手の打球速度や角度を計測し、理想の打球を飛ばすスイング軌道を身に付ける。もともと小、中学生を対象にした野球スクールで指導者をしていた江藤監督は、個々の選手に合った指導の引き出しが豊富にある。