成長の妨げになる保護者との“距離感” 熱心さが裏目にも…注意したい一方通行
中学硬式野球「明石ボーイズ」の筧新吾監督が見てきた親子の距離感
子どもと大人の関わり方は、野球の成長にも大きく関係している。甲子園球児を毎年のように輩出し、今年で創部22年目を迎える中学硬式野球「明石ボーイズ」の筧新吾監督は「一番必要なのは言葉のキャッチボール」と親子の“距離感”の重要性を口にする。
明石ボーイズは2001年に設立され、これまで春季全国大会で全国制覇(2016年)を成し遂げ、ジャイアンツカップ、タイガースカップにも出場している関西の強豪チームだ。チームを巣立っていった選手たちは300人を超える。
様々なタイプの選手を指導してきた中で、グラウンドでは指導者たちの声に耳を傾け礼儀正しくても、家に戻れば言葉使いや生活態度などを含めて“違った姿”を見せる選手もいるという。思春期の子どもにありがちな“二面性”だが、筧監督は家庭内でのコミュニケーション不足が原因の一つと考えている。
「子どもの意見を聞かず、親が押し付けるのはダメです。何を望んでいるか、求めているかを理解しないといけない。大人は『こうだろう』といった“催促”をして子どもに返事をさせてしまう。大人が納得して終わってしまう。そこが一番、今の野球界で変えていかないといけないところ。熱い親ほど言葉のキャッチボールで“剛速球”を投げる人が多いです」