「左足の前」は時代遅れ…ゴロ捕球は体の右寄り 指導者に不可欠な情報のアップデート
ゴロは「グラブを横向きに使うよう指導する」
時代が移り変われば、野球の技術や考え方も変化する。全国大会で3度の優勝を果たしている中学硬式野球の強豪、千葉・京葉ボーイズの関口勝己監督は学び続ける姿勢を持ち、情報をアップデートしている。自身が現役時代には正解と考えていた「グラブを立てる」「左足の前」といったゴロの捕球方法を見直している。
関口監督は内野手として明大、NTT関東(現NTT東日本)とアマチュア野球界の“王道”を歩んできた。現役引退後は、NTT東日本で指導者も務めている。ただ、京葉ボーイズを3度の全国優勝に導いているのは選手としての豊富な経験だけが理由ではない。自分の現役時代の考え方が今もベストな方法なのかを疑い、より良い技術や知識を積極的に吸収している。「指導者は学び続けなければならない」と強調する。
24日に講師を務めた野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員向けオンラインイベントでは、内野手のゴロ捕球について指導のポイントを解説した。関口監督が選手の頃、両手のゴロ捕球はグラブの面が正面を向くように立て、反対の手で上からふたをする動きが一般的だった。しかし、今はグラブを横向きに使うよう指導する。小さく「前へならえ」をするような形。指揮官は、こう説明する。
「中指、薬指、小指の3本で捕球して握り替える方が早いです。腕を振って歩く時、手の平を正面には向けません。肘の動きが硬くなるからです。同じようにゴロの捕球もグラブを立てると肘を柔らかく使えなくなってしまいます」
ゴロを捕る時の足の合わせ方も情報を更新して指導している。以前は、右利きの選手であれば、左足の前で捕球するのが一般的だったが、今は体の中心から右寄りでの捕球を勧めている。
「左足の前でゴロを捕ろうとすると、打球がイレギュラーした時に反応が鈍くなります。体の中心から少し右寄りで捕る意識を持って、左足を動かせるようにします。特に遊撃手が併殺を取る際のスナップスローは右足の前で捕った方が動きに無駄がなくなります」。選手時代の成功体験や自分の価値観を押し付けず、今以上の方法を追求する姿勢にチームを強くできる理由がある。
(First-Pitch編集部)
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