成長期でも筋トレを推奨 気鋭の中学硬式チームが実践、プレーに直結する“機能改善”

ポニーリーグに所属する中学硬式野球「神田Rebase」【写真:チーム提供】
ポニーリーグに所属する中学硬式野球「神田Rebase」【写真:チーム提供】

「神田Rebase」の選手は、体の関節や筋肉の動きについて学ぶ

 ポニーリーグに所属する中学硬式野球「神田Rebase」(東京・千代田区)は、フルスイングが信条。メジャーリーグで活躍できる選手育成を目指しており、その指導は細やかだ。“座学”を重視し、選手に体の関節や筋肉の動きなどを理解させることに努めている。

「神田Rebase」で指導の基本となっているのは、チームの代表を務める池田則仁さんが提唱する「Rebase理論」。選手たちはまず座学で体について学ぶ。

「選手が100点を取れるまで何度もテストをします。基礎知識がないといくら伝えようとしても選手に伝わりません。知識を身に付けることが自分の道しるべになります」と池田代表。生理学、解剖学、バイオメカニクスなどを分かりやすく伝え、選手たちに落とし込む。

 知識を得ることで、選手は「自己教育能力」が自然と高まっていくという。自分自身で学び、成長していく能力のことで、池田代表の弟でチームを率いる池田悠紀監督は「体の機能を理解していれば、自分で取捨選択できます。多くの情報があふれている時代。重要な要素です」と語る。

 監督補佐を務める山浦秀斗さんによると、指導者のアドバイスがなくても自分で修正できるようになっていくという。「動画で自分の動きを見て分析、修正する能力が身についていきます」と効用を明かす。チームでは、選手同士で動画を見ながら意見を言い合うのが日常の光景だ。

 チームでは筋力トレーニングを推奨しているが、やみくもに行うわけではない。入部したての選手がまず取り組むのが“機能改善”。「1年生は4、5月に正しい姿勢の取り方を学びます。正しい姿勢を取れるか取れないかで、筋肉の付き方もパフォーマンスも大きく変わってきます」と池田代表。正しい姿勢を取れるようになってから次の段階に進むのだ。

 大きなスケールの選手を育成するには、知識や準備が必要。「神田Rebase」は段階を踏んで子どもたちを指導、自立を促している。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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