中3で確信「絶対プロに行く」 恩師が驚いた成長…中日ドラ1にあった強烈な“こだわり”

野球塾「Perfect Pitch and Swing」代表の長坂秀樹氏【写真:伊藤賢汰】
野球塾「Perfect Pitch and Swing」代表の長坂秀樹氏【写真:伊藤賢汰】

中日・小笠原を指導した長坂秀樹氏が説く「常に目標を意識する大切さ」

 同じ練習やトレーニングでも、取り組み方で効果は変わる。神奈川県藤沢市の野球塾で選手を指導している長坂秀樹氏が28日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベント「大人のための少年野球塾2023」に出演。大人が選手に目標を意識させることで、選手はきついトレーニングへの向き合い方が変化すると訴えた。

 5夜連続で12人の“凄腕コーチ”を招くイベント2日目に登場した長坂氏は、米国の独立リーグなどで投手としてプレーし、現役引退後は主に小・中学生を指導している。中日・小笠原慎之介投手の中学時代に指導した経験もある。

 長坂氏が小笠原の所属するチームでコーチを務めたのは、小笠原が中学2年生時だった。当時は体の線が細く、プロ野球選手になるイメージはわかなかったという。しかし、1年後には「絶対プロに行く」と確信した。

「スピードに対するこだわりが強く、きついトレーニングも継続していました。球速を上げる楽しさ、トレーニングが結果につながる楽しさを感じていたのだと思います」

 小笠原は「球速を上げる」という明確な目標を掲げ、そのために必要なトレーニングを続けた。地味できつくなりがちなトレーニングを継続するのは難しい。長坂氏は選手、さらに指導者や保護者に対し「常に目標を意識する大切さ」を説く。自宅の目につくところなどに「甲子園に行く」「プロ野球選手になる」といった目標を貼ることで、トレーニングの効果が高まるという。

「きついトレーニングをする時、多くの選手が『あと何分ですか?』『あと何本ですか?』と聞いてきます。そうではなく、『なぜきついトレーニングをするのか』を考えるようにします。目標がかなった姿を思い浮かべながら、目標に近づいていると感じられれば、トレーニングする意味や面白さがわかるようになります」

トレーニングについて解説する長坂氏【写真:伊藤賢汰】
トレーニングについて解説する長坂氏【写真:伊藤賢汰】

小・中学生は成長速度に差…比較対象は「過去の自分」

 継続するために、もう1つ大切なのは「比較の仕方」。長坂氏は比較対象を過去の自分に設定することを勧めている。

 小・中学生は体が成長するスピードに違いがある。指導者や保護者には「同じ学年の選手と比べるのではなく、その選手の半年前や1年前との変化を見ます。成長した部分を褒められた選手は、モチベーションを高く保てると思います」とアドバイスする。

 イベントでは長坂氏が考案し、中学時代の小笠原が実際に取り組んでいたピッチング体操や、投手に重要な瞬発力を高めるジャンプのメニューも紹介した。パフォーマンスを上げるには選手自身の意識が大切なのはもちろん、指導者や保護者の言葉やサポートも重要になる。

12月1日(金)まで申し込み受付中…参加費は無料

 Full-Countと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では12月1日までの期間、午後8時からオンラインイベント「凄腕コーチ12人が技術指導 大人のための少年野球塾2023 ~子どもを伸ばすための集中講座~」を5夜連続で開催中。小・中学生の現場で豊富な実績を持つ指導者や、話題の野球塾コーチ・トレーナー12人が出演し、選手たちを成長へ導くドリルやトレーニングを実技解説する。参加費は無料。最終日の午後7時まで参加申し込みは可能。

【大人のための少年野球塾2023・詳細】

【申し込み1000人突破!】“凄腕コーチ”12人が集結 「大人のための少年野球塾」オンラインで開催

【参加はTURNING POINTの無料登録から】
https://id.creative2.co.jp/entry

(間淳 / Jun Aida)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

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