どんな投手も打ち崩せる“共通点” 高橋由伸氏が解説…打席で重要な「一番遠くなった時」

高橋由伸氏が野球教室で女子小学生に伝授…タイミングの取り方のコツ
誰でも打席でタイミングが取れる“極意”とは――。「サンリオベースボールアカデミー in ジャイアンツタウンスタジアム」が15日、東京都稲城市で開催された。東京と神奈川、計37チームの女子小学生203人が参加し、プロ野球界のレジェンドが講師として登場。現役時代に通算321本塁打を放った元巨人監督の高橋由伸氏は打撃指導で、タイミングの取り方を伝授した。
重視していたのは、ボールと自身が“一番遠くなる時”に合わせること。高橋氏は語る。「色んな投げ方のタイミングやフォームがある中で、ピッチャーにある共通点があります。ボールが自分から一番遠くに行く時(テークバック)がどんなピッチャーでもあります。その時に自分も一番遠くに行く(テークバックを最も深くする)」。
クイックモーションや変則フォームなど、状況によって対戦する投手は変わる。しかし、どんな投手でもテークバックするタイミングがある。高橋氏は現役時代、そこに合わせることに集中してきたという。
テークバックに合わせることがなぜ重要なのか。「ボールと自分の距離が一番遠くなって、一番時間を使うことができます。そうすると、どんなフォームや投球のタイミングでも同じようにタイミングを取ってバットを振ることができます」と強調した。

これはどんな打撃練習でも共通し、ティー打撃の場合は、トスをあげる腕が最も遠くなるタイミングに合わせる、緩いボールを打つ練習でもスピードに合わせず、投手のテークバックに合わせてタイミングを取ることが実戦でも生きてくるという。巨人の1番打者としてプレーボール後の初球を本塁打にするなど、迷いなく振り抜く打撃の裏には、卓越したタイミングの取り方があった。
選手を指導した後は松井稼頭央氏、里崎智也氏、杉谷拳士氏とロングティーに臨んだ。トス役のテークバックに合わせてタイミングを取り、芯でとらえた打球はバックスクリーン方向へ。スタンド奥のフェンスに着弾した。「ガシャン」という音を聞いた参加者は思わず歓声を上げた。現役時代さながらの打球で、伝えた技術を示して見せた。2015年シーズンを限りに引退して10年。「天才」と称された打棒は、50歳になっても錆びついていない。
(磯田健太郎/Kentaro Isoda)
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