ゴロ捕球上達のコツは「休ませない」 打球が怖いを解決…逆算で学ぶ米国式“分解キャッチ”

ゴロ捕球が上達する米国流のトレーニングとは(写真はイメージ)
ゴロ捕球が上達する米国流のトレーニングとは(写真はイメージ)

「膝つき練習」から「実戦捕球」へ…米国流で身につく段階的キャッチング術

 小学生の野球指導で課題の1つとなるのが「ボールを捕る」という基本スキルだ。重心が後ろに下がりすぎる、ボールに集中して顔が下がりすぎる、怖がって体が引けてしまう……など、子どもたちが陥りがちな問題点は多い。米国ニュージャージー州で少年野球チームを運営する「High Heat BaseBall」代表の新谷信明さんが、室内の狭いスペースでもできる米国式の効率的な捕球練習法を紹介する。

 まずは膝をついた状態で、2〜3メートルほど前からボールを転がしてもらっての基礎的な捕球練習から。「姿勢がどうしても後ろ座りしてしまう子が多いので、それを直すために上体を前にすること」と新谷さん。プラスチック製や柔らかいボールを使い、恐怖心を取り除きながら、正面を見て手を前に出して捕る動作を繰り返す。ポイントは「柔らかく捕ること」。テンポよく「捕ったら横、捕ったら横」と連続して行うことで、リズム感も身につく。できたらバウンドさせての捕球練習も行う。

 次のステップでは立った姿勢でのキャッチング。直接転がしたボール、バウンドさせたボールの両パターンを練習する。さらに足の動きを加え、左右にステップしながら捕球する動作へと発展させる。ステップ位置がずれないようホームプレートなど目印となるものを使えばわかりやすい。単に捕るだけでなく、「動きながら捕れるか」という動体視力と連動した技術を養っていく。

「リズムが大事だと思うので、あんまり休ませずにどんどん、どんどん、その動きを大切にしている」と新谷さん。米国式の練習法の特徴は、動作を細分化して段階的に組み立てること。さらに足の使い方を教える際には、「子どもたちには言葉で伝えても分かりづらいので、足をプレートに置いて、前に出るんだよというのを分かりやすくする」など視覚的工夫を凝らす。

 さらには、プレートの斜め前に置かれたボールを捕って送球のポジションを作る、前から転がしたボールを捕ってポジションを作る、後ろから前に出てきて捕球してポジションを作る……など、段階的に実戦的な動きへと展開していく。「捕る部分から、動きを逆算していくイメージ」で練習を組み立て、それらをテンポ良く連続して行って行けば、充分な運動量と技術向上が期待できる。

 新谷さんの練習法は「動きを分けて教えている」のが特徴だ。細分化された動作を順番に積み上げることで、複雑な捕球技術が着実に身につく。短時間で集中的に練習でき、子どもたちも飽きずに取り組めるこの方法は、日本の野球少年たちの基礎スキル向上にも大いに役立つだろう。

(First-Pitch編集部)

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