ティー打撃が上手に打てない…原因は立ち位置? スイングが変わる米国流“3秒我慢”

ティー打撃の基本的な立ち位置の教え方とは(写真はイメージ)
ティー打撃の基本的な立ち位置の教え方とは(写真はイメージ)

米国で指導する新谷信明氏が伝授…ティー打撃の立ち位置とフォーム安定のコツ

 野球初心者は何から教えて良いかわからないことだらけだが、バッティング練習での「立ち位置」もその1つだろう。ティースタンドを置いても、立ち方が適当では打撃フォームが定まらず、思うようにボールが飛ばず、野球の楽しさも味わえない。この問題解決のために、米国ニュージャージー州で少年野球チームやアカデミースクールを運営する「High Heat BaseBall」代表の新谷信明さんが、米国式の初心者への指導法を紹介。新谷さんは、「1番野球で楽しいのは打つこと。そこを味わえるようにして」と語る。

 新谷さんは、「バッティングでの立つ位置、バランスは基本的には一番大切」と考えている。子どもたちは適当に打ってしまいがちなので、まず適切な立ち位置から教える必要があるわけだ。新谷さんは、バットをティースタンドに合わせて体と垂直になるように置き、「バットの先端にかかとが重なるように前足を置き、後ろ足を肩幅程度に開いて立つ」ことを勧める。

 立ち位置が決まったら、次は下半身を使った正しいスイングの習得だ。初心者は手だけでバットを振りがちだが、それでは力強い打球は生まれない。「前足はロックして後ろ足を回す」という下半身主導のイメージを伝え、さらにスイング後に「3秒我慢してごらん」と指示する。

「自分の動きを確認できるし、3秒我慢できないということは体がブレていて、きれいなスイングにはならない。だから、まずは振って我慢するところは最初のうちに教えています」

「バランスはどんなスポーツでも必要」という原則を常に伝えながら、段階的に技術を向上させていく。子どもの成長に応じて、体の軸を早く回すスイングを教え、上達に合わせてティースタンドを投手方向や外角に置いたり、複数配置したりする練習へと発展させる。米国流のバッティング指導は非常に細部にこだわっている。

「打つことが楽しいって思ってもらえないと野球じゃない」と新谷さん。野球の醍醐味は打つことにあり、その楽しさを子どもたちに伝えるためには、「好きに打てばいい」ではなく、正しいフォームで「気持ちよくパーンと打てる」体験が重要だ。立つ位置とバランスを意識した練習から始め、正しいフォームを身につければ、打つ楽しさを実感できるようになるだろう。

(First-Pitch編集部)

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