「今やらないと将来困るよ」 親の言葉が呪いに…自主練しない子が変わる“最強ツール”

専門家が伝授…ゴールデンエイジの運動と親の関わり方と“お勧め冬トレ”
寒さが厳しくなり、日が落ちるのも早い冬。「家でトレーニングしてほしいのに、ゲームばかりで全然やらない」とヤキモキすることはありませんか? 実はその悩み、トレーニングへの捉え方を少し変えるだけで解決するかもしれません。Full-Countの野球育成サイト「First-Pitch」のポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」では、小・中学生を指導するトレーナーさんを招き、MCの野球ママたちにアドバイスをいただきました。
番組ではスポーツトレーナーで、東京・北区の中学軟式野球クラブ「ブロッサム・アスリート」で監督を務める石井翔平さんをゲストに迎え、冬場の過ごし方について議論しました。地域の子ども向けに「ワールドスポーツクラブ」で運動指導も行う石井さんが指摘する、現代の子どもたちの最大の課題は「遊びの絶対量が足りていない」ということでした。
公園でのボール遊び禁止やスマートフォンの普及により、体を動かす機会そのものが激減しています。コーディネーショントレーニングの資格も持つ石井さんによれば、ゴールデンエイジと呼ばれる小学生の時期は、野球以外の多様な動きを経験させることが何より重要だといいます。
例えば、サッカーでボールに合わせて足を動かす動作や、鬼ごっこで相手の動きを見て瞬時に方向転換する動き。これらは空間認識能力や俊敏性を養い、結果として野球の守備範囲や走塁センスに直結します。「野球がうまくなるために野球だけをする」のではなく、冬こそサッカーやバドミントン、鬼ごっこなど、全身を使った「遊び」を積極的に取り入れることが、春以降の飛躍につながるのです。
「最強の冬トレ」は縄跳び…球速アップにも相関関係
では、自宅でできる具体的なトレーニングにはどのようなものがあるでしょうか。石井さんが「最強のツール」として挙げたのが、昔ながらの「縄跳び」でした。特に「高く跳ぶこと(垂直跳び)」や「二重跳び」は、地面を蹴る瞬発力を鍛えるのに最適です。最新の研究では、垂直跳びの能力と球速には相関関係があることも分かっているそうです。
「ただ回数をこなすだけの縄跳びは続きません。楽しさを1つ足してあげることが継続の鍵です」
そこでおすすめされたのが、音楽に合わせて20秒運動し、10秒休むことを繰り返す「タバタ式トレーニング」。リズムを取り入れる方法です。これなら1日たった4分で終わります。さらに、跳んでいる子どもに対して、保護者がなぞなぞを出してあげるというユニークなアイデアも紹介されました。体を動かしながら頭も使うことで、心拍数が上がりやすくなり、実戦的な脳と体の連動性も鍛えられます。何より、親子でゲーム感覚で楽しめるのが最大のメリットです。
トレーニングの内容以上に重要なのが、保護者の関わり方です。「毎日続けさせなきゃ」「サボったら下手になる」という焦りは、子どもにとってプレッシャーにしかなりません。石井さんは、親が良かれと思ってかける「今やらないと、将来困るよ」「レギュラーになれないよ」といった言葉は、子どもの主体性を奪う「呪いの言葉」になり得ると警鐘を鳴らします。
小・中学生のうちは、「やらねばならない(他人軸)」ではなく、「やりたい(自分軸)」気持ちを育てることが最優先です。保護者が管理して無理やりやらせたとしても、それは一時の安心に過ぎず、長くは続きません。
もし子どもが自主練をしていなくても、ガミガミ言うのはぐっと我慢。「今日は一緒になぞなぞ縄跳びやろうか?」と楽しく誘ってみたり、家の中でバランスボールに乗って遊ぶ様子を見守ったりするくらいが丁度いいのかもしれません。冬のトレーニングは「継続すること」自体に意味があります。回数やノルマに縛られず、親子で笑いながら体を動かす時間を一日数分でも作ること。そうした積み重ねが、子どもの心と体の土台を強くしていくはずです。
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(First-Pitch編集部)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
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