少年野球の集合時間が「朝早すぎる」 親は辟易も…チーム運営を悩ます“切実な事情”

早朝練習に抱く保護者の疑問に監督が回答…成績アップの相乗効果も
まだ外は真っ暗な冬の早朝。それでも我が子は野球の練習に向かいます。「どうしてこんなに早く集合しなくちゃいけないの?」。眠い目をこすりながらママはお弁当を作りますが、その手は止まりがちです。しかし、早朝練習には単なる精神論ではなく、チーム運営上の切実な事情と戦略的なメリットが隠されていました。Full-Countの野球育成サイト「First-Pitch」のポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」ではMCママたちの悲痛な叫びに似た悩みについて、中学軟式クラブの監督が実体験や周囲の監督の意見を交えて回答しています。
番組のゲストとして登場したのは、東京都北区の中学軟式野球クラブ「ブロッサム・アスリート」で監督を務める石井翔平さん。専用グラウンドを持つことが難しい東京のチーム。集合時間が早い理由は、「グラウンド確保」の難しさにありました。都内では河川敷や公園のグラウンド抽選倍率が非常に高く、希望通りの時間帯・場所を確保するのは至難の業なのです。
伝統あるチームは卒業生の数だけ抽選カードを持っていたりしますが、新しいチームはその数が少なく、競争においてどうしても不利になります。その結果、早朝枠しか取れないことも多く、グラウンドを確保してくれたチームの遠征先に合わせて移動時間を逆算すると、必然的に集合時間が早まってしまうのです。
監督は週末の練習が終わった瞬間から「来週はどこでやろうか」と頭を悩ませており、グラウンドさえ確保できれば運営の悩みの大部分は解決すると言っても過言ではありません。
しかし、早朝練習には「仕方なく」以上の大きなメリットもあります。専用球場を持つあるチームでは活動を早朝にシフトしたことで、選手たちの夜更かしやスマートフォンの長時間利用が減り、生活リズムが整ったといいます。しっかり睡眠をとって朝から体を動かす習慣がついた結果、大会の第1試合(早朝)での勝率が8割を超えたというデータも紹介されました。親としては負担に感じる早起きも、子どもの「スマホ依存対策」と「試合勘」を養うための有効な手段になっているようです。
少年野球の監督が抱える膨大な業務…選手の保護者との適切な距離感とは
グラウンド確保以外にも、監督の業務は多岐にわたります。練習計画の作成、対戦相手の調整、道具の手配、連盟への登録作業など、その数はリスト化すると約150項目にも上るといいます。週末にグラウンドに立っている時間以外にも、膨大な「見えない業務」をこなしていることを知ると、監督への見方も少し変わってくるのではないでしょうか。
そんな多忙な監督にとって、保護者との関係構築も重要なテーマです。番組で特に話題になったのが、「監督と保護者の距離感」について。トラブルを避けるために「監督は保護者の飲み会には参加しない」というルールを設けているチームも増えています。お酒の席で特定の保護者と親密になりすぎたり、感情的な意見が出たりすることで、チーム運営に公平性が保てなくなるリスクを防ぐためです。
保護者からの要望についても、「みんながこう言っています」という伝え方は避けるべきと指摘されました。本当に全員の意見なのか、特定の影響力のある保護者(いわゆるボスママ的な存在)の意見なのか判別がつかず、対応が難航するためです。意見がある場合は周りを巻き込まずに「個人として」直接伝えてもらう方が、監督としても真摯に対応しやすいそうです。
練習試合の観戦に関しても興味深いアドバイスがありました。保護者が熱心に応援に来てくれるのはありがたい反面、子どもたちは保護者がいない時の方がのびのびとプレーし、ヒットを打つこともあるそうです。毎回必ず応援に行かなければならないと思い詰めず、「たまには子どもたちだけで頑張って」と少し距離を置いてみるのも親子の精神衛生上、そして子どもの自立にとって良い効果があるのかもしれません。
◇ポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」は各種音声リスニングサービスでお聞きいただけます。
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(First-Pitch編集部)
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