飛ぶバットが招いた“悪癖” 3年後に全面禁止…大阪桐蔭OBが推奨する「高め打ちドリル」

ドアスイングを解消して飛距離を伸ばせる練習法とは(写真はイメージ)
ドアスイングを解消して飛距離を伸ばせる練習法とは(写真はイメージ)

ベースボールアドバイザーの生島峰至さんが指摘…「複合型バット」の問題点

 小中学校の軟式野球で、”飛ぶバット”の使用が「選手の安全面考慮」を理由に2029年から全面禁止となる。指導現場では「自力で飛ばせる選手」の育成が急務だ。大阪桐蔭高で2度甲子園に出場し、現在は愛知を拠点に「BT野球スクール」を運営するなどベースボールアドバイザーとして活躍する生島峰至さんは“飛ぶバット”について、「当たれば飛ぶので、技術が伴っていなくても『飛ばせる』と錯覚してしまう」と説明する。真の打撃を身につけるには、“量と質”の確保が必要になる。

 生島さんは最近の小学生の傾向について、「一概にバットのせいとは言えませんが、自力でボールを飛ばせない選手が増えています」と指摘。さらに「『体が大きくなったから』というシンプルな理由でボールが飛ぶようになる選手はいますが、スイング力やスイングスピードなどの技術を習得した上で飛ぶようになったと実感できている選手はそう多くありません」と警鐘を鳴らす。

“飛ぶバット”とは、打球部にウレタンやスポンジなどの弾性体を使った「複合型バット」のこと。バットにボールを当てることさえできれば自然と飛距離が出る。このバットに慣れることで、中学に進んでから本来飛距離が伸びるはずの金属バットで硬式球を飛ばせずに悩む選手が少なくないという。

 生島さんは対策として、第一に「スイング量の確保」を挙げる。技術向上には「バットを振る体力」が不可欠。「BT野球スクール」の強化プログラムではティー打撃を10~12分行って約150スイングをこなし、合間にロングティーにも取り組む。

「BT野球スクール」を運営する生島峰至氏【写真:伊藤賢汰】
「BT野球スクール」を運営する生島峰至氏【写真:伊藤賢汰】

バットが体から離れてしまう「ドアスイング」の矯正方法

 もちろん、がむしゃらに振らせるだけでなく「振り方」の指導にも注力する。その一つが「高めを打つ」練習だ。

 トップからインパクトに向かうまでの間に肘が伸び、バットが体から離れてしまう、いわゆる「ドアスイング」は小学生に多く見られる。これではバットに力が伝わりづらい。生島さんは「テークバックで腕が伸びると引っ張る力は弱くなる。どれだけ回転動作を加えてもバットが外回りしてしまう」と解説する。

 そこで、推奨するのが“高め打ち”。「置きティー」で高めの位置に設定して打つと、自然とバットが体から離れにくくなり、シンプルなスイングができるようになる。踏み込み足を地面に着けてターンし、最後に腕がついてくる「回転動作」を意識しながら、バットが体から離れない打ち方を覚える。これを習得できれば、ティーの位置を低くしても腕を伸ばすのではなく、体の角度を変えて打つだけで飛ばすことが可能になる。

「飛んだ理由を分からないままにするのではなく、『なぜ飛んだか』を言語化できるようにしてほしい。それが、後の野球人生につながるはず」と語る生島さんは、来月開催の「打撃改革3DAYS」に出演予定。正しいスイングを数多くこなすことで、バットに影響されない打ち方が身につくはずだ。

少年野球で役立つ“明日から使える”指導法を紹介…「打撃改革3DAYS」開催

 First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、2月2日から16日までの毎週月曜日、計3日間のオンラインイベント「打撃改革3DAYS」を開催します。「タイミングが合わない」「ミート率が低い」「遠くに飛ばせない」などの少年野球指導での悩みを、豊富な実績を持つ指導者・トレーナー陣がアドバイスします。参加費は無料。見逃し配信もあります。出演者などの詳細は以下のページまで。

【打撃改革3DAYS・詳細】

hhttps://first-pitch.jp/article/well/batting/20260116/14403/

【参加はTURNING POINTの無料登録から】

https://id.creative2.co.jp/entry

(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

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