西武は外野、鷹は二塁…FA市場“開幕”、各球団の補強ポイントと予算を確認【パ編】
楽天の補強ポイントは先発投手と捕手か
11月2日、今季のFA宣言選手が公示され、3日から各球団は宣言選手との交渉が可能になった。この【FA選手の最適球団はどこか】シリーズでは各FA選手にとってどの球団が最も戦力的にフィットするか、適した移籍先を探す。今回はその前提として、パ・リーグの球団にどういった戦力のニーズがあるか、また選手を獲得できるだけの予算が残っているかを確認していく。
イラストは、各ポジションのリーグ平均を0とした場合、各球団がそれに比べ打撃・守備(投手の場合は投球)のはたらきでどれだけ差をつくったかを表したものだ。セイバーメトリクスの手法を使い、各ポジションの成績を試合における得点の単位に換算している。
例えば西武の一塁手であれば、リーグの平均的な一塁手が出場する場合に比べ、打撃で34.4点チームの得点を増やし(+34.4)、守備で7.5点多く失点を増やしてしまった(-7.5)。この合計でプラス26.9点となる。値は投手も野手もプラスのほうが優れていると見てほしい。
【西武】 ニーズ:先発・救援・外野・指名打者
西武最大の弱点は投手陣だ。昨オフ、エースの菊池雄星が退団。期待された多和田真三郎も不調で、先発は危機的な状況を迎えた。先発・救援ともにニーズは非常に高い。
ただそれ以上の問題とも考えられるのが外野だ。今季は秋山翔吾が守る中堅以外のポジションで他球団に大きな差をつけられた。そしてその秋山もFA宣言。現在外野の一角を担う金子侑司もFA権取得が近づいており、来季だけでなく数年後の目処も非常に立ちづらくなっている。外野手のニーズは極めて高い。強打の外野手であれば弱点の指名打者での起用も考えられる。
【ソフトバンク】ニーズ:二塁
今季は故障者が続出し、例年であれば強みになるはずの外野が大きな弱点となった。ただ故障や病気に見舞われた柳田悠岐や中村晃がある程度成績を回復させることを見込むと、外野補強の必要性は薄い。
補強優先度が高いのは内野だ。二塁が弱点になっているほか、一塁の内川聖一、三塁の松田宣浩はそれぞれ37歳と36歳。近い将来世代交代が必要になりそうだ。すぐにレギュラー争いに加われそうな若手がいない現状、FAで内野の弱点を埋める選択肢はあっていいのではないだろうか。
【楽天】ニーズ:先発・捕手
先発の値が-6.3と平均を下回っているが、これは則本昂大、岸孝之の長期離脱が大きく影響している。彼らがシーズンを通してある程度投げられるなら、先発が大きな弱点になることはなさそうだ。
ただ岸の契約が残り1年になっていること、近年ドラフト1位で獲得した安楽智大、藤平尚真、近藤弘樹らが伸び悩んでいることを考えると、長期的に先発ローテーションで稼働できる投手のニーズは高い。また捕手も大きな弱点になっている。