「閉めることが多い」―「野球離れ」に立ち向かうバッティングセンターの今
「平塚球場」のネーミングライツを持つバッティングセンター「バッティングパレス秦野・湘南平塚」
2014年に平塚球場は「相模石油株式会社」とネーミングライツ契約を締結し、「バッティングパレス相石スタジアムひらつか」と名前を変えている。相模石油株式会社が運営するのが、バッティングパレス秦野・湘南平塚である。
現在、問題となりつつある若年層における野球の競技人口の減少を深刻に捉え、アクションを起こし続けているのが、平塚店に勤める鷲尾氏だ。
バッティングセンターとして7年目の湘南平塚店は、時速160キロのマシンや朝特打90円など、各種イベントも豊富だ。クレーンゲームなどのいわゆる“ゲームセンター”は置かない。そこには、野球を最大限に楽しんでいただきたいという願いが込められている。
開店当初から、地元の野球少年や草野球選手らを中心に幅広い客層が足を運んでいるが、ここ最近、変化が起き始めている。
地元平塚で幼い頃から野球をプレーしていた鷲尾氏は、現在も少年野球の現場に足を運ぶ。また、バッティングパレスは、教育リーグ的な意味を込め、ネーミングライツを持つパレスタで4年生以下の大会を主催している。
「“野球離れ”を感じる。これまでに比べ、部員数が減り、合同チームが目立つようになった」
その影響は、店内でも感じられた。近年、テレビでプロ野球放送が少なくなった。インターネットメディアの普及もあり、観戦スタイルの多様化が進む中、バッティングセンターとして感じることがある。「小学生年代のお客さんが来ても、バーチャル映像に映るプロ野球選手を知らないことが増えたんですよ。競技人口も減少していますが、“観る”人も減っているんでしょうか」
競技者も減れば、バッティングセンター利用者も減る。野球に関わるアントラージュとして、これは死活問題だ。