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“全国最強”大阪でも深刻な野球離れ 高校部員数は全国ワースト3位の減少率
大阪府の高校は、2010年からの10年間で、夏の甲子園は4回、春も3回優勝している。大阪桐蔭や履正社などの強豪校を擁し「全国最強」の呼び声も高い。今年の選抜には大阪桐蔭と履正社の2校が選ばれた。しかし高校野球硬式部員の推移を見れば、実は深刻な「野球離れ」が進行している。

裾野拡大へ、親子による野球イベントが徐々に活発化
この野球イベントは、子供だけでなく付き添いの大人たちも一緒に参加する。「試合」では、大人も思い切りバットを振り、一生懸命にボールを追いかける。親子ともどもで「野球の楽しさ」を体感してもらうのだ。
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「今日は、ここで練習しておられる豊中ボーイズさんのご厚意で1時間半、グラウンドを使わせていただきました。豊中ボーイズさんも、野球離れに危機感を持っておられるんです」
このイベントの主催者であるNPO法人「北摂ベースボールアカデミーの植松剛史理事長は話す。
植松氏は筑波大体育専門学群、同大学院研究科でスポーツ経営学を学ぶ。その後千葉県、大阪府での小学校教諭を経て2019年にNPO法人を立ち上げた。
「この北摂地域でも子供たちが野球遊びができる場所はほとんどない状態です。少しでも野球に触れあう機会を作ろうと毎週木曜日に野球教室を開いてきましたが、昨年5月と9月に『親子野球イベント』を実施しました。2回合わせて25組の参加でしたが、今回は1回だけで22組が参加。少しずつ参加数が増えています」
このイベントに協力した豊中ボーイズも、一時は選手数が激減して存続の危機に立たされた。そうした危機感から、こうした地道なイベントに協力するようになった。豊中ボーイズには今年5人の小学生が入ったという。
イベントを体験した親子は冬にもかかわらず上気した顔で「楽しかった」を連発した。野球の入門イベントは、やれば必ず高い満足度を得ることができる。手ごたえはあるのだ。大阪の野球界も、こうした裾野拡大イベントに積極的に取り組んでほしい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)