日本で成功する助っ人の共通点は意外なところにも? OP戦と年間成績を比較する【後編】
総合人数が飛びぬけて多かったケースは?
総合的な人数に目を向けてみると、以下のような数字となった。
オープン戦で活躍→公式戦も活躍:9名
オープン戦で活躍→公式戦は不振:17名
オープン戦で不振→公式戦は活躍:8名
オープン戦で不振→公式戦も不振:9名
以上のように、オープン戦で一定の活躍を見せながらシーズンでは不振に陥ってしまった例が飛びぬけて多くなっている。オープン戦とレギュラーシーズンではバッテリーの配球が変化することはよくあるものだが、オープン戦で活躍した新助っ人がシーズンでも活躍する可能性は割合にすると20.9%と、期待値としては約5分の1となっている。
また、それ以外の3つのケースはいずれもほぼ同数で、全体に占める割合の面でも極めて近いと言える。オープン戦で不振だった選手がシーズンで活躍するか否かは、今回採り上げた期間をサンプルとする限りではほぼ五分五分であり、期待の新戦力が不振だったからといって、過度に悲観する必要性は低いのかもしれない。
今回取り上げたマーティンとバースは帰国後、MLBの舞台においてもリリーフとして存在感を示した。また、日本では本領を発揮できなかったルブランも、2018年にマリナーズで9勝を挙げる活躍を見せており、米球界復帰後に大活躍を見せる助っ人は少なくない。
そんなジャパニーズ・ドリームを体現する選手たちの増加もあり、近年のNPBを取り巻く助っ人事情は徐々に変化しつつある。今季はMLB通算282本塁打の実績を持つ現役メジャーリーガーのアダム・ジョーンズ外野手(オリックス)という超大物をはじめ、マット・ムーア投手(ソフトバンク)、ジャスティン・ボーア内野手(阪神)、アルシデス・エスコバー内野手(ヤクルト)、ヘラルド・パーラ外野手(巨人)といった、近年のMLBにおいてチームの主力を張っていた実績十分な新助っ人が多く来日している。
そういう意味でも、今季新たに日本球界に挑戦を決めた助っ人たちがどのような成績を残すのかは、2020年のシーズンにおける非常に楽しみな要素の一つとなってきそうだ。その活躍ぶりを予想するにあたって、これまで紹介したオープン戦の成績とシーズン成績の例は一つの参考となるかもしれない。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)