審判や場内アナウンス取り止め ポニーが見つめ直す「保護者の負担軽減策」とは

「SUPER PONY ACTION パート2」で発表した保護者の負担軽減策とは

 少年野球は他のスポーツに比べ、保護者の負担が大きいと言われている。練習や試合がある日は当番制でお茶汲みや選手の怪我対応などをしたり、遠征時に車出しをしたり、試合の審判やアナウンスを務めたり。子どもが野球に興味を持っても、保護者にかかる負担の大きさに躊躇して他のスポーツを選んだり、途中で辞めてしまう家庭も少なくない。

 そこでポニーでは従来、保護者がボランティアとして担うことが多かった審判員制度を見直した。

 2021年度の中学1年生大会から、地方大会の準々決勝以下および全国大会の2回戦以下の試合については審判2人制を採用。従来は3人以上だった審判の人数を減らすことで、父兄審判員の要請機会を減らす狙いがある。中学生にとっての野球が競技かスポーツか考えた時、特に1年生はスポーツの側面が強いことから、まずは1年生大会で運用し、上級生大会での導入の是非について協議していくという。

 審判2人制となっても父兄審判員が必要となる場合もあるが、父兄審判員を出せないチームもあるだろう。その場合は、費用を支払って代行要請ができる新システムの利用が可能で、費用は1試合につき2000円ほどを検討。金銭的に負担にならない形を目指す。

 また、練習試合などでは選手が審判を務められるように、選手を対象とした審判講習会も開催する。選手自身がルールを理解し、審判員を務めることで、新たな気付きやルール遵守を促す目的があるという。第1回の選手向け審判講習会は、5月のポニーフェスタで開催される予定だ。

 その他、地方大会の準々決勝以下および全国大会の2回戦以下の試合では、場内アナウンスを廃止することも決定。アナウンスも主に保護者が担当していた。

 共働きやシングルファーザー、シングルマザーなど家族のカタチが多様化する中、まずは保護者の負担を軽減することで、子どもたちが野球を始めるためのハードルは低くなるだろう。現代のニーズを察知しながら、協会が柔軟に対応していく姿勢は、子どもたちが野球を楽しむ環境作りのカギを握ることになりそうだ。

(次回は2月12日を予定)

(Full-Count編集部)

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