親の指導だけでは「可能性に蓋をする」 レッド吉田さんが下した“人に預ける”選択

「焦ったら駄目」大切なのはお互いを信じる力

 ここで焦ったり、怒ったりしていたら、運はオーバーワークで怪我をしたり、メンタルのバランスを崩したりするかもしれません。「焦ったら駄目」とようやく気付きました。全てを自分でやろうとする焦りから解き放たれた結果、弥太郎さんに預けようと思えました。

 僕自身が焦らないためにも、子どもが焦らないためにも、大切なのはお互いを信じる力が必要だと感じています。それを踏まえて、どんな練習をしていくか子どもと一緒に考えていきます。自分主導ではなく、子どもと一緒に。

 運に「きょうは何をやりたい?」と聞いて「バッティングやりたい」と言われたら、バッティングを一緒にやります。運の気持ちが乗ってきて、こっちが守備をやらせたいと思ったら「広島の菊池選手のあのプレー良かったよな。やってみようか」と声をかけると、流れで守備練習に進めます。

 それから、あまり周りを気にしないで運自身が成長しているかに集中します。1か月おきに成長しているかを確認して、もし成長していなかったら何が足りなかったのかを運と一緒に考えます。「1か月の30日間で、10日しかスイッチが入っていなかったんじゃない。それを15日に増やしたら、もっとパフォーマンスが上がるんじゃない」と子ども主導で考えさせて、僕がサポートするように心がけています。そうすると、子どもは親に依存せず、お互いに信頼が生まれると思います。

○プロフィール
レッド吉田 1965年10月30日生まれ、京都府出身。名門・東山(京都)で1983年の夏の甲子園に出場する。ゴルゴ松本とともにお笑いコンビ・TIMを結成し、バラエティ番組で人気に。野球が大好きで、5児の父としても奮闘中。三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にするために立ち上げたYouTubeチャンネル「レッド吉田の野球子育て奮闘記~めぐる巨人への道~」を開設中。

(First-Pitch編集部)

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