高校野球で活躍するために「教え過ぎない」 強豪・武蔵府中シニアの方針とは?
細かく求めるのは“報告”のみ、背後に隠された意図とは…
一方で細かく言っていることもある。武蔵府中では日課として300回をノルマとした素振りがある。自主練習とはいえ、監督に電話で報告するようにしている。目的は素振りをしたかどうかの確認ではない。そこでコミニュケーションを図っているのだ。
「私の携帯電話は午後6時から9時の間ずっと鳴りっぱなしです。入れ違いで取れなくても、私が受け取るまでは、留守番電話に入れることや、その後に電話をかけてこないといけない決まりにしています」
部員にアウトプットの上手、下手があっても当然だ。話をすること、気持ちを通わすことが重要と考えている。留守番電話の中身も十人十色。電話の向こうで“カンペ”を使っている子もわかる。うまく話せない子に保護者がそばにいて、次に喋る言葉を耳元でささやいていることもお見通しだ。
「こういう大人との会話ができていかないと、社会に出ても苦労する。そういったことを感じてほしいです。10歳年上と話ができるようになってもらいたい思いがあります」
将来を見据えた指導といっても、やり方は多岐に渡る。時代は変わっても、亡き恩師が導いてくれた教えすぎずに「考えさせる」アプローチが、昔も今も野球人を成長させる一つの手段といえる。
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