「十分な休養」は野球上達への近道 TJ手術の権威が語る「疲労をためない」大切さ

休みを挟む方が力がつく「超回復」、毎日行いたいストレッチ

 古島医師は、一昨年からスマートフォンのアプリ「スポメド」の開発に監修として携わってきた。練習中の投球数や選手個人の疲労度などを入力すると、医学的見地から怪我のリスクを指導者や保護者と共有できる機能がある「スポメド」を監修したのも、疲労や体の状態を正確に知ってもらうためだ。

「子どもは自分から疲れたとは言わないし言えない状況が少なからずあります」とも語る古島医師。野球障害を予防するために「少なくとも週2日以上の十分な休養日」を勧めた上で、こう続けている。

「1日休めば疲労がすぐに回復するわけではありません。実は休養を十分にとった方が、うまくなります。疲れていては練習も楽しくないし、集中できないためうまくもなりません。むしろ疲れないようにどう手を抜くかを考えてしまいます。それでは時間をかけてもなかなかうまくなりませんよね」

 古島医師は「休みを挟んで疲労を回復させる方が力が蓄えられます。疲労が蓄積した状態ではパフォーマンスがどんどんと落ちていきます。超回復といって、十分な休養を取ることで疲労が回復した後に行うトレーニングの方が、実は効果が引き出されます」と説明する。

 また、日々の練習の疲れを蓄積させないためにもストレッチが大切だという。

「疲れがたまると筋肉の柔軟性は低下します。スポーツ選手にとって柔軟性がある方が怪我をしにくいことは誰でも知っていると思います。一方で、体が硬いままハードな練習を繰り返すと故障リスクが高まることはあまり知られておりません。

 野球は走る、投げる、打つと全身を使いますので、上半身から下半身まで十分なストレッチが必要です。ストレッチをしながらしっかりと体の柔軟性を良くしていくことが怪我や障害の予防につながります」

 疲れを回復させる休養とストレッチが、スポーツ障害の予防とパフォーマンスアップにつながる。

◯スポメドのダウンロードはこちらから
https://info.spomed.net/

(間淳 / Jun Aida)

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