楽天・則本や多数の甲子園球児輩出 少年野球で分かる伸びる選手の“共通点”
全国V2度の指揮官が考える選手の特徴は「まねをする力」
滋賀・多賀町の少年野球チーム「多賀少年野球クラブ」の辻正人監督は、チームを立ち上げて今年で34年目を迎えた。連載4回目のテーマは「伸びる選手の特徴・共通点」。これまでに多数の甲子園球児ら上のステージで活躍する選手も指導する中、成長する選手は「まねをする力」が長けていたと辻監督は感じている。その典型は楽天・則本昂大投手で、上手い選手の技術を分析して吸収する力が突出していたという。
辻監督は体が成長する中学以降に選手の技術が伸びるよう、野球に必要な考え方や体の使い方を重点的に指導している。これまでにチームを巣立った選手のうち21人が甲子園に出場し、レギュラーとして聖地に立った。辻監督は必ずしも運動能力の高い選手が伸びるわけではないと話す。
「滋賀県の選抜チームに行くと、普段は他のチームでプレーしている選手や保護者と接する機会があります。うちのチームの選手より明らかに運動能力が高いのに、打撃も守備も劣っている選手を目にします。そういう親子は『多賀みたいに打撃マシンが5台もないから』、『多賀みたいに広いグラウンドがないから』と自分たち以外の部分に原因がある言い方をしているケースが多いです。自分を納得させるための理由付けだと思いますが、考え方を変えないとせっかくの運動能力を生かせません」
多賀少年野球クラブから甲子園に出場した選手も、体が大きく運動能力が高い選手ばかりではなかった。辻監督が考える伸びる選手の特徴は「まねをする力」だ。
「技術を伸ばす一番の方法は、上手い選手のまねです。なぜ、自分にできないことができるのか分析して、自分に合わせた形に調整できれば、どんどん上手くなります。小学生のうちから、まねする習慣が身に付いていると、中学や高校で成長する可能性が高いのは自然だと思います」