タイミングを崩されても対応できる!? 野球のプレーの質を上げる「リズムトレ」とは

「スポーツリズムトレーニング」のインストラクターを務める渡辺智典さん【写真:間淳】
「スポーツリズムトレーニング」のインストラクターを務める渡辺智典さん【写真:間淳】

リズムトレーニングのプロと元プロ野球選手が両輪で指導

 リズムが変わるとプレーが変わる。近年、野球界でも注目されているトレーニングの1つに「スポーツリズムトレーニング」がある。横浜市にある「GXA野球教室 神奈川・横浜戸部校」では、元プロ野球選手に加え、スポーツリズムトレーニングのインストラクターが少年野球の子どもたちを指導している。様々なリズムを身に付けることで動きのバリエーションが増え、パフォーマンスアップと怪我の予防につながるという。

 横浜市の住宅街。一見、倉庫のような建物の扉を開くと、ノリのいい曲が聞こえてくる。室内にいる子どもたちはリズムに合わせてステップを刻んだり、体にひねりや回転を加えたりしている。ダンス教室ではない。子どもたちは野球を学びに来ている。

「GXA野球教室 神奈川・横浜戸部校」では、2人の専門家が指導にあたっている。1人は元DeNAの西森将司さん。捕手では珍しい俊足、両打ちの選手として知られている。もう1人は、渡辺智典さん。一般社団法人「スポーツリズムトレーニング協会」(略称STAR)認定のインストラクターで、競技や年代を問わず幅広く選手を指導している。

 リズムトレーニングは、リズム感を高めることで運動能力を向上させるのが狙い。一般的には1分間で120拍前後を刻むテンポの良い曲に合わせて体を動かす。トレーニングを継続すると、力を入れるタイミングや抜くタイミング、裏拍での動きなどが頭で考えなくても自然と体に染みつくという。渡辺さんは「より多くのリズムを身に付ければ色んな動きができるようになるので、イレギュラーなことが起きた際の対応力が上がります」と説明する。

 例えば、野球では投手はいかに打者のタイミングを崩すか考える。遅いボールを見せてから速いボールを投げたり、走者がいなくてもクイックを使ったりする。一方、打者は投球にタイミングを合わせて対応する。渡辺さんは「安打が出るかどうかは別として、打者が様々なリズムを身に付ければ、タイミングをずらされても対応しやすくなります。相手投手のリズムに合わせることもできます」と語る。

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