実績の「ある・なし」で変える接し方 教え子にプロ多数、慶大監督の“タイプ別”指導

慶大・堀井哲也監督【写真:上野明洸】
慶大・堀井哲也監督【写真:上野明洸】

堀井哲也氏は2019年に慶大監督就任 三菱自動車岡崎、JR東日本の指導者歴任

 社会人野球の強豪、三菱自動車岡崎とJR東日本でコーチや監督を務め、現在は慶大を指揮する堀井哲也監督は、数々の選手をプロに送り出している。指導の軸に「選手が何を欲しているか」を置き、選手によってアプローチを変える。元巨人の谷佳知氏や広島の田中広輔内野手は「感覚派」、オリックスの石岡諒太内野手は「理論派」などタイプ分けし、指導の引き出しを使い分けている。

 名門・慶大には現在、200人近い部員が所属する。2019年12月からチームを指揮する堀井監督は、普段の会話に加えて、日々の動きや表情から選手の本心を探っている。

「選手が指導者に何を欲しているのかを考えて接しています。全員に対してできているかと言えば自信はありませんが、理想とスタンスは持っています」

 試合翌日に挨拶をした時の声や表情が、選手の性格を知るヒントになる時もある。試合結果の捉え方で、選手への言葉のかけ方は変わってくる。個別に話をする時は選手の親の意向も考慮し「今は叱った方がいいのか、静観するのか、目標やハードルを上げてほしいと思っているのかなど、指導者に何が求められているのかという目線を心掛けています」と語る。

 選手の性格や考え方が違えば、同じ指導内容でもアプローチは変わってくる。堀井監督は選手をタイプ別に分ける時がある。例えば「実績がある選手」と「実績がない選手」。前者では、調子が上がらない時期があっても放任する期間をつくる。自分で原因を考えて試行錯誤させた上で、気付いた点をワンポイントでアドバイスする。また、冬場のトレーニング期間は大きなテーマを1つ持たせて、じっくり取り組むように勧めている。

実績がない選手は「自信の積み重ねが必要」

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