「全員レギュラー」になれるチャンスがある 慶大が実践する“ユニーク”な仕組み

慶大・堀井哲也監督【写真:上野明洸】
慶大・堀井哲也監督【写真:上野明洸】

慶大・堀井哲也監督はJR東日本を率いて都市対抗野球優勝 多数のプロ輩出

 2019年12月から慶大を指揮する堀井哲也監督は、社会人野球の名門・JR東日本の監督時代にチームを日本一に導き、多数のプロ野球選手を輩出している。チーム作りのキーワードは「適材適所」「競争」「目標・熱量」の3つ。自身の現役時代の経験もあって、全ての選手がレギュラーになるチャンスを作っている。

 2019年に母校・慶大の指揮官に就任した堀井監督は、社会人野球の三菱自動車岡崎とJR東日本で長年、監督を務めた。JR東日本では年々ステップアップし、2011年に都市対抗野球でチームを初優勝に導いた。プロ野球選手も多数輩出。コーチや監督をしていた三菱自動車岡崎の教え子には元巨人・谷佳知氏や元オリックス・山口和男氏、JR東日本時代には広島・田中広輔内野手やオリックス・田嶋大樹投手らがいる。

 堀井監督はチームを作る上で、「適材適所」「競争」「個人の目標・熱量」の3つを重視している。1つ目は、選手が最も力を発揮できる場所を判断する「適材適所」。練習や練習試合で選手の起用を固定せず、野手であれば打順や守備位置、投手の場合は先発、リリーフ、登板の場面など、様々なシチュエーションで能力を見極める。

 堀井監督は「野手は三拍子そろった選手は、なかなかいません。代打、代走、守備固めといった一芸は、選手が自信をつかむきっかけになったり、チームの大きな戦力になったりします。学生野球では特に大事だと思っています」と説明する。選手に関する情報は自身が見たものだけではなく、コーチやトレーナーからも集める。ウエートルームでの選手に詳しいトレーナーから、筋肉が柔らかい、回復力が高いなど情報が入れば、連投に向いているか試してみる。

「送球」のみを基準に主力と控えの組み分けも 全ての選手にアピールチャンス

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