「世界基準」で目指す共通のゴール 高校サッカーの名将も驚く野球界との“違い”
中学と高校、高校と大学・プロが盛んに交流 現在地知る機会に
中学生と高校生、高校生と大学生やプロといった、カテゴリーを超えた交流が盛んなのも野球にはないサッカーの特徴といえる。実際、前橋育英高サッカー部は毎週のように中学生と練習試合を組み、OBのプロ選手から指導を受けたり、プロチームと練習試合をしたりする機会も頻繁にある。
カテゴリーを超えた交流は自分の現在地を知る絶好の機会で、より高いレベルの選手から知識や技術を得るチャンスでもある。山田監督は「サッカー界では、ずいぶん前から当たり前に行われています。グローバルスタンダードです」と野球界との違いに驚く。
高校野球界では近年少しずつ広がってきたリーグ戦は、サッカーではすでに一般的だ。全国各地にプレミアリーグ、プリンスリーグ、県リーグといったリーグ戦が、トーナメントの大会と並行して展開されている。前橋育英高もインターハイや全国高校選手権という頂点を目指しながら、4月から12月までプレミアリーグを戦っている。
山田監督は高校生世代にリーグ戦を取り入れた中心人物で、世界基準に合わせるために必要性を訴え続けていた。ワールドカップをはじめ、中学、高校世代の国際大会でもトーナメントの前に予選リーグがある。リーグ戦の戦い方を知らなければ、世界のトップレベルに追いつけないと考えていたからだ。さらに、リーグ戦はより多くの選手が公式戦に出場する機会を作り出せる。
少年野球や中学、高校野球に携わっていると“異色”に見えるサッカー界の仕組み。世代や地域が違っても同じ方向へ進めるよう、グローバルスタンダードをキーワードにしている。
(間淳 / Jun Aida)
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