高校サッカーの名将が野球界に抱く違和感 プロチームとの交流で「学ぶことは多い」

「プロだから伝えられることがあり、子どもたちの成長に繋がる」

 前橋育英高の選手たちはプロから指導を受け、大学生やプロと練習試合をすることで、知識や技術を吸収してきた。自分より上のカテゴリーの選手と直接体をぶつけて自分の課題を認識したり、モチベーションを高めたりする。高校サッカー界を長年けん引する山田監督であっても、プロの指導に勝てない部分があり、選手の成長に不可欠だと強調する。

「プロになった選手は様々な失敗を克服して、技術や知識を増やしています。プロの世界を実際には知らない私たち指導者は、同じ指導をできません。プロだからこそ伝えられることがあって、それが子どもたちの成長につながります。たった一言のプロの言葉が、子どものプレーや考え方を変えるきっかけになります」

 かつてより減ったものの、前橋育英高はプロ選手との練習に加えて、年間10試合ほどプロチームと練習試合を実施している。選手たちはプロに質問して指導を受け、直接目にしたプロのプレーを真似ている。山田監督は「野球でも投手と打者の駆け引きなど、プロとの交流から学ぶことは多いと思います。視野が広くなって、野球の奥深さが分かるはずです」と語る。

 カテゴリーが上の大学やプロだけではなく、中学生との交流も大切にしている。スカウティングのメリットに加えて、進路選択する中学生に有意義な時間になると考えているためだ。

「高校側にとっては練習試合や練習会は選手の勧誘につながりますし、中学生は高校生のスピード感や強度を知る機会になります。中学生はチームの雰囲気を分かりますし、寮も見てもらうので入学したらどんな環境でサッカーをするかイメージできると思います」

“越境入学”に理解「選手は成長に何が必要か、どんな環境が良いか考えている」

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